言語処理学会ニュースレター

Vol. 14 No. 2 (2007年8月30日発行)


目次

言語処理学会第13回年次大会報告
言語処理学会第13回年次大会プログラム委員会からの報告
言語処理学会第13回年次大会優秀発表賞選考について
言語処理学会第13回通常総会報告
2006年度論文賞について(既報)
その他(第14回年次大会について)


□言語処理学会第13回年次大会報告

第13回年次大会実行委員長
馬 青(龍谷大学)




□言語処理学会第13回年次大会プログラム委員会からの報告

第13回年次大会プログラム委員長
中岩浩巳(NTT)

 今回で13回目となる年次大会は、前回の12回大会が首都圏で行われたこ ともあり、地方開催となりました。本大会が自然言語処理研究における国内最 大の会議として定着したことからか、本会議で298件と、昨年、一昨年同様、 多数の論文発表がありました。また、参加者も、過去最高であった昨年度まで は達しませんでしたが、同じく地方開催であった第11回より多くの方に参加し ていただき(本大会588名)、地方開催にともなう参加者減も傾向もなくなっ てきたように思います。

 このような近年の大会の大規模化にともない、今まで通りでのプログラム委 員会の運営では困難となってきたことから、前任のプログラム委員会では様々 な工夫がなされ、大会を成功に導いてくださいました。今回も前回の様々な試 みを実施しつつ、新たな試みも導入しました。

  1. チュートリアル  前回好評であったチュートリアルの2トラック化を今回も導入し、様々な興 味を持った方が参加しやすいようにしました。その結果、約200名の方に参加 いただきました。
  2. プログラム冊子  前回同様、論文集のCD-ROM化と、製本コストの低減、また、広告掲載、企業 協賛をお願いすることによる印刷費の補填を行った結果、健全な単独収支を実 現しました。
  3. テーマセッション  「教育を支援する言語学・言語処理」、「「語の意味」と言語学・言語処理」 の2種類のテーマセッションを企画し、論文募集いたしました。両方とも1セッ ションでは収まりきれないほど多数の論文発表がありました。
  4. 招待講演、特別講演  招待講演は、今泉敏(県立広島大学)、坂本勉(九州大学)両先生にお願い しました。また、年次大会参加者層にとって有益な時代的なホットトピックに ついてご講演いただく特別講演を,招待講演とは別に企画し、喜連川優 (東京 大学)先生にご講演いただきました。
  5. ワークショップ  本大会の翌日に、「言語的オントロジーの構築・連携・利用」「大規模Web 研究基盤上での自然言語処理・情報検索研究」2件のワークショップを開催し、 両方とも100名以上の参加者があり、大変盛況でした。

 今回は、実行委員長の馬青先生のご尽力により、無償で会場を使わせていた だくなど龍谷大学様の全面的なご支援いただいた結果、健全な収支を実現しつ つ、大会を成功させることが出来ました。また、プログラム委員の皆様には、 盛況な大会を円滑に運営するための様々な準備を献身的にかつ適切に行ってい ただきました。大会当日お手伝いいただいた龍谷大学のスタッフを含め、本大 会を支えてくださった全ての皆様に対し感謝の意を表します。




□言語処理学会第13回年次大会優秀発表賞選考について

第13回年次大会プログラム委員長
中岩浩巳 (NTT)

 言語処理学会年次大会優秀発表賞は、年次大会において、論文の内容および プレゼンテーションに優れたものと認められた発表論文に与えられる賞です。 また、優秀発表賞のうち特に優れたものがあれば、最優秀発表賞として選定す ることが第11回からとりいれられました。

 第12回大会において、優秀発表賞規定が改訂され、発表件数に応じて、優 秀発表賞の件数も増減することとなりましたが、今大会でもこの規定に基づい て優秀発表賞の選定を進めました。今回の年次大会では298件の発表がありま したので、授賞件数は5〜6件を目処としました。

 60名の選考委員の皆様に優れた発表を推薦していただいた結果、59件が選考 対象となりました。次に、選考委員会において、これらに対する投票を行った 結果、得票数が特に多かった上位2件を最優秀発表賞、それに続く4件を優秀発 表賞として推薦することとしました。授賞件数は総発表件数の2%以内というこ とになっておりましたので、今回の選考結果の6件(2.01%)は適切な件数と思わ れます。上記の6件の中には、発表申込時の大分類(ABCT)のうちA分類を含んで いませんが、分野のバランスを考慮した上で下した結論であり、許容範囲内と 思われます。

 6月15日に開催された理事会におきまして、これらを推薦・諮問し、承認 を得ました。以下が、第13回年次大会において優秀発表賞に選ばれた論文で す。




□言語処理学会第13回通常総会報告

日時: 2007年3月21日(水) 13:00〜14:00
場所: 龍谷大学 瀬田学舎 4号館 209教室
出席者: 94名,有効委任状 189名 (内 議長への委任 187名)

 総会に先立ち、石崎会長からの挨拶があり、2006年度論文賞1件ならびに第 12回年次大会最優秀発表賞2件、優秀発表賞4件の受賞式が行なわれました。

 続いて、出席者数が定足数(正会員数720名の10分の1)を満たすことを確認し、 第13回通常総会が開催されました。石崎会長が議長として選出され、以下の議 題の審議が行なわれました。

(総務担当理事 森辰則)




□2006年度論文賞について(既報)

2007年3月21日、通常総会に先立って、2006年度論文賞の表彰式が 行われました。受賞論文は、以下です。

著者:平川秀樹(東芝)
題名:選好依存文法とその圧縮共有データ構造「依存森」について
掲載:自然言語処理13巻3号

選考過程(編集委員会報告から):
 論文賞は、採録論文30件程度につき1件を目途に授与することになってい ます(平成18年1月の編集委員会で提案し、理事会で承認)。これに基づき、 2006年に出版された自然言語処理13巻1号から4号に掲載された論文2 4件から1件を推薦することを目標として、以下の手続きで候補論文の選考を 行いました。

  1. 第1次選考として、期間中の各号に掲載された論文のうち、査読点数が5 点満点で4点以上の論文15件を対象に、1論文あたり2名の編集委員が 読み、10点満点で採点しました。
  2. その結果、高得点を得た7件の論文を第2次候補論文とし、編集委員全員 が4点満点で採点しました。
  3. その最上位の論文1件を、編集委員会として論文賞候補に推薦することに 決しました。
  4. 編集委員会から上記の過程を経て推薦され、理事会で承認された上記論文 について、評議会で2006年度論文賞を授与することが了承されました。



□その他(第14回年次大会について)

 言語処理学会第14回年次大会は、下記の予定で開催されます。

日程:
チュートリアル2008年3月17日(月)
本会議2008年3月18日(火)〜20日(木)
ワークショップ2008年3月21日(金)

場所:東京大学駒場キャンパス

大会委員長: 加藤恒昭(東大)
プログラム委員長: 田中英輝(NHK)




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