言語処理学会ニュースレター

Vol. 21 No. 3 (2014年7月11日発行)

目次

20周年記念論文賞の選考結果報告

□20周年記念論文賞の選考結果報告

20周年記念論文賞選考委員会委員長
徳永健伸 (東京工業大学)

10周年事業として実施しました10周年記念論文賞の授与にならい,学会誌「自然言語処理」の第11巻から第20巻(2004年3月発行の11巻1号から2013年12月発行の20巻最終号)に掲載された論文の中から最優秀な論文を選出し,20周年記念論文賞を授与することを目標として,選考委員会の下,以下の手続きで候補論文の選考をおこない,その結果が理事会で承認されましたのでご報告いたします.


(0) 選考委員会の編成 (2013年9月19日)

隅田英一郎副会長,相澤彰子(編集担当)理事,徳永健伸編集委員長/理事が理事会から指名を受け選考委員会を編成しました.選考委員長は3名の互選により徳永理事が務め,2002年から2010年に就任した歴代編集委員30名に選考委員をお引き受けいただきました.


●選考委員会

徳永健伸(編集委員長/理事)(選考委員会委員長)
隅田英一郎(副会長)
相澤彰子(編集担当理事)


選考委員(敬称略):

荒牧英治,乾健太郎,内山将夫,宇津呂武仁,大石亨,大塚裕子,落谷亮,小原京子,柏野和佳子,加藤恒昭,金山博,神門典子,清田陽司,工藤拓,小林のぞみ,斎藤博昭,颯々野学,新納浩幸,東条敏,永田昌明,中野幹生,難波英嗣,藤井敦,桝井文人,増市博,丸山岳彦,村上明子,村田真樹,山口昌也,山本和英


(1) 一次選考 (2013年11月12日〜2014年3月16日)

「自然言語処理」の第11巻から第20巻に掲載された270編の全論文に対して,それぞれ3名の選考委員を割り当て,この10年間の中で最優秀な論文として残る可能性があるかないかの二択で選択してもらう審査(ひとりあたり27編程度)を約4ヶ月かけて行いました.


●選考結果
・1名以上に推薦された論文64編 (24%)
・2名以上に推薦された論文17編 (6%)


(2) 二次選考 (2014年4月1日〜2014年6月2日)

一次選考で2名以上から推薦のあった17編を二次審査の候補とし,各論文に5名の選考委員を割り当て,約2ヶ月かけて査読(ひとりあたり3編程度)を行いました.


●選考結果
・総合評価の平均が3.0を超える論文16編 (94%)
・総合評価の平均が4.0を超える論文3編 (18%)


(3) 最終選考 (2014年6月3日〜2014年6月30日)

二次選考で総合評価の平均が4.0を越えた上位3編を最終選考の候補とし,選考対象論文の著者を除く選考委員が,二次選考結果のコメントや評価も参考にしながら,約1ヶ月かけて20周年記念論文賞に最もふさわしいと思われる論文を各自1票で投票しました.


(4) 推薦論文の決定 (2014年6月30日)

本来,1編の論文を選考する予定でおりましたが,最終選考で上位2編の論文がまったく同じ推薦数を得たこと,また,いずれも記念論文にふさわしい質の高い内容を持っていることから,隅田会長,相澤理事,徳永総編集長の3名で相談した結果,下記の上位2編の論文を20周年記念論文として推薦し,これが理事会で認められましたのでここにご報告します.


 タイトル:「格フレーム辞書の漸次的自動構築」
 著者:河原 大輔,黒橋 禎夫
 発行号頁:Vol.12 No.2 pp.109-131

 タイトル:「述語項構造と照応関係のアノテーション: NAIST テキストコーパス構築の経験から」
 著者:飯田 龍,小町 守,井之上 直也,乾 健太郎,松本 裕治
 発行号頁:Vol.17 No.2 pp.25-50


なお,20周年記念論文賞の選考にあたっては,選考委員が自著論文に関する審査に参加しないことをCOIの基準としました.


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