言語処理学会第18回年次大会(NLP2012)

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お知らせ

開催案内

日時

2012年3月13日(火)〜3月16日(金)

3月13日(火) チュートリアル
14日(水) 本会議 第1日
15日(木) 本会議 第2日
16日(金) 本会議 第3日
17日(土) 併設ワークショップ が開催される場合

会場

広島市立大学キャンパスアクセスマップ

所在地:  広島市安佐南区大塚東3丁目4番1号 (〒731-3194)

共催

広島市立大学

概要

言語処理学会第18回年次大会は,広島市立大学で開催します.

例年通り,自然言語に関する理論から応用まで幅広い研究発表を募集します. とくに,言語学,教育学,心理学など,日頃「言語処理」とは縁が薄いと感じておられる人文系の研究者の方々からの積極的な発表を期待しています.

従来通り,研究発表の形態は口頭発表(質疑応答も含めて20分間程度を予定)とポスター発表のいずれかです. 口頭発表とポスター発表は時間帯を分け,両者が重ならないよう考慮する予定です.両種の発表とも,予稿集には最大4頁の論文を掲載する予定です.

また,今大会でも言語処理関連分野内にある人文系,理工系,アカデミア,ビジネスなどのコミュニティーを超えた議論を奨励するために,分野横断的テーマセッションを口頭発表の中に設けます. テーマセッションでは,セッションの最後に総合討論の時間を取り,参加者の間でより活発な討論ができるような場を持ちたいと考えています. さらに,チュートリアル,招待講演といった企画もあります.

○予稿集について

本大会では,予稿集はCD-ROMで配布いたします.
印刷製本版の論文集は作製いたしませんのでご注意ください.

チュートリアル

2トラックで合計4件(各120分)のチュートリアルを行う予定です. 以下の4名の方々を講師としてお迎えします.

(T-a) 3月13日(火) 13:00-15:00 (603講義室)司会:ジェプカ・ラファウ(北大)

大規模言語資源時代の意味談話処理

乾健太郎 氏(東北大学)

言語の意味談話レベルの処理にとって最大の障害の一つは「知識のボトルネック」にあった. しかし,大規模コーパスからの多様な知識獲得が実世界スケールでまわり,獲得された知識が研究者間で共有されるようになった今日,そうした大規模言語資源を使ってこれまでより一段深い言語処理にチェレンジする研究が広がりつつある. 本講演では,どうすれば多様な大規模知識を使いこなし言語処理の深化に繋げることができるかという,まだほとんどオープンな問いをテーマの中心にすえ,分布から論理まで多様化する意味/知識表現,知識獲得と意味処理の融合など,近年の研究動向を概観する.
(T-b) 3月13日(火) 13:00-15:00 (602講義室)司会:永田昌明(NTT)

統計的機械翻訳の最先端

渡辺太郎 氏(NICT)

近年,機械翻訳は統計的手法を取り入れ,機械学習や構文解析などの基礎的な分野の成果を直接導入することにより,飛躍的に性能が向上した. 本チュートリアルでは,この統計的機械翻訳の最新のトピックを中心に解説する.まず基礎的な単語や句に基づく統計的機械翻訳の復習し,木構造に基づく機械翻訳を説明. また教師有/無の学習法の活用について解説する.
(T-c) 3月13日(火) 15:30-17:30 (603講義室)司会:高村大也(東工大)

ネットワークと機械学習

鹿島久嗣 氏(東京大学)

機械学習は,データの中に隠された知見を発見し,そして将来に何が起こるのかを予測するためのデータ分析技術であり,自然言語処理をはじめとする数多くの分野において成功を収めてきた. 従来,機械学習による分析の興味の対象は,個々のデータそれぞれのもつ性質であったが,近年その興味は,ソーシャルネットワークにおけるユーザー同士の関係や,オンラインショッピングサイトにおける顧客と商品の関係に代表されるデータ間の関係,すなわちネットワーク構造へと移行しつつある. そこで本チュートリアルでは,近年目覚ましい発展を遂げているネットワーク構造を対象とした分析手法の研究動向について概観する.
(T-d) 3月13日(火) 15:30-17:30 (602講義室)司会:賀沢秀人(Google)

『現代日本語書き言葉均衡コーパス』による日本語研究の展開

山崎誠 氏(国立国語研究所)

2011年に完成した「現代日本語書き言葉均衡コーパス」(略称,BCCWJ)は,日本で初めての本格的な大規模均衡コーパスである. 本発表ではBCCWJがどのように構築されたかを具体的に紹介するとともに,BCCWJの特徴を踏まえて日本語研究が今後どのように進展していくか,その展望を述べる. BCCWJの特徴としてアノテーションの充実が挙げられる.例えば,2種類の言語単位による形態素解析が施されている.用例収集や基本語彙の分析に適した短単位と,特徴語を反映し構文的な機能の分析に適した長単位の2つである. また,文書構造を表すタグも施されており,見出しや本文,引用,注記などの要素を指定した処理が可能になっている. さらに,書誌情報としてそれぞれのサブコーパスに応じたカテゴリの情報(書籍で言えば日本十進分類法の情報)や著者の属性(性別,生年代)なども付与されている. なお,BCCWJは解析精度が全体で約98%であり,エラーも含まれている.そのような利用に当たっての注意点やデータの限界についても言及する. 人文系の日本語研究でもコーパスの利用は普及しつつあり,今後は研究手法の洗練化,ツール類の充実が望まれる.言語処理の研究者とのコラボレーションが真に必要な段階になってきたと言えよう.

○ チュートリアルのライブ配信

チュートリアル講演については,USTREAMを用いた「ライブ配信」を予定しております. ただし,ネットワークやカメラなどの予期せぬ機器の不調により,配信が中断される可能性もありますことをご了解ください.

招待講演

講演1: 3月15日(木) 14:00-15:00
講演者 Patrick Pantel 氏(Microsoft Research)
"Active Objects: An Entity-Centric Search Experience"
Bio: Patrick Pantel is a Senior Researcher at MSR, conducting research in large-scale natural language processing, text mining, web search, and knowledge acquisition. Prior he served as a Senior Research Manager at Yahoo! Labs, and as a Research Assistant Professor at the USC Information Sciences Institute. In 2003, he received a Ph.D. in Computing Science from the University of Alberta in Edmonton, Canada.
講演2: 3月15日(木) 15:00-16:00
講演者 市川 熹 氏(早稲田大学人間科学学術院教授)
「障害者・高齢者と対話のことば」
略歴: 1964慶大工電気卒,日立中研,千葉大を経て,現在早大人間科学学術院教授・応用脳科学研究所員,京都工繊大特任教授.工学博士,千葉大名誉教授. 信学会や人工知能学会の理事などを歴任.対話言語,情報福祉などに関心を持つ. 信学会論文賞,総務大臣表彰など受賞.著書に,“対話のことばの科学-プロソディが支えるコミュニケーション-”(早稲田大学出版部,2011),“福祉と情報技術”共著,(オーム社,2006),“人と人をつなぐ声・手話・指点字”(岩波書店,2001),“情報福祉の基礎知識”編著(ジアーズ教育新社)など.

○ 招待講演のライブ配信

招待講演については,USTREAMを用いた「ライブ配信」を予定しております. ただし,ネットワークやカメラなどの予期せぬ機器の不調により,配信が中断される可能性もありますことをご了解ください.

テーマセッション