受賞のことば

2023 (vol.30)

最優秀論文賞
  • 栗原 健太郎,河原 大輔,柴田 知秀.
    JGLUE: 日本語言語理解ベンチマーク.
    Vol.30, No.1, pp. 63-87.
    この度は、2023年度の最優秀論文賞に選出していただき、大変光栄に思います。本論文の査読や選考に関わってくださった方々に心から感謝申し上げます。本研究では日本語基盤モデルの言語理解能力を測るベンチマークJGLUEを構築しました。 JGLUEの公開以降、数多くの研究でモデルの評価や分析に活用していただけていることを見聞きするたびに、作ってよかったと思っています。今回の受賞は日頃からJGLUEを利用してくださっている皆様のおかげであると深く感じております。 LLMが席巻する今日においては、JGLUEによる性能評価だけではまだ不十分であると認識しております。今後、LLM評価に関する新たな取り組みが増えることを期待しつつ、自身もLLM評価を含む日本語の自然言語処理の発展に貢献できるよう、引き続き精進して参ります。
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論文賞
  • 塚越 駿,笹野 遼平,武田 浩一.
    定義文を用いた文埋め込み構成法.
    Vol.30, No.1, pp. 125-155.
    この度は2023年度の論文賞に選んでいただき誠にありがとうございます。本論文では、自然言語文の密ベクトル表現である文埋め込みについて、定義文から単語を予測するタスクを解くことで文埋め込みモデルを得る手法を提案しました。文は自然言語において単語と並ぶ重要な要素ですが、深層学習を通して文の在り方を考えられるのが文埋め込みという技術の面白さだと考えております。今回の受賞を励みにして、今後も文埋め込みと自然言語処理研究を精一杯楽しみつつ精進して参ります。
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  • 李 凌寒,鶴岡 慶雅.
    人工言語による事前学習を用いた言語間転移可能な知識の分析.
    Vol.30, No.2, pp. 664-688.
    この度は2023年度の論文賞にご選出くださり心から感謝申し上げます。本論文の執筆にあたっては、先行研究、特に国内の先輩研究者の成果に着想を得たところも多く*、そうした研究の積み重ねが今回の受賞という形で結実したことを大変光栄に思います。
    本論文は、異なる言語を学習する際にニューラルネットワークが共有可能な知識とはどのようなものだろうか、という問いに取り組んだものです。共有可能な知識としては、系列の統計的性質を想定し、その性質だけを表現した単純な人工データから自然言語への転移学習性能を調べました。ニューラルネットワークによる言語学習のメカニズムには、未だ多くの不明な点が残っています。この受賞を契機に、さらに研究に励み、知見を深めていく所存です。

    * 当該研究の着想に関するエピソードが学会記事に記載されていますので、興味のある方はぜひご一読ください。
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnlp/29/3/29_997/_article/-char/ja/
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  • 大村 和正,河原 大輔,黒橋 禎夫.
    基本イベントに基づく常識推論データセットの構築と利用.
    Vol.30, No.4, pp. 1206-1239.
    この度は2023年度の言語処理学会論文賞に選出いただき,誠にありがとうございます.査読並びに賞選考に携わってくださった皆様に深く感謝申し上げます.本論文では,基本的な蓋然的関係(原因・条件と結果の関係)を問う多肢選択式問題の半自動的な生成手法を提案しました.また,提案手法に従って大規模な日本語の常識推論データセットを構築し,生成した問題からの転移学習による自然言語理解タスクへの効果を検証しました.今回の受賞を励みに,今後も計算機による自然言語理解の実現に向けて,精進してまいります.
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2022 (vol.29)

最優秀論文賞
  • 佐藤 志貴,赤間 怜奈,大内 啓樹,鈴木 潤,乾 健太郎.
    負例を厳選した対話応答選択による対話応答生成システムの評価.
    Vol.29, No.1, pp. 53-83.
    この度は最優秀論文賞に選出いただきありがとうございました.査読や賞選考に関わった皆様に厚くお礼申し上げます.
    「受賞のことば」掲載の機会をいただいて改めて,この研究では本当に多くの方にお世話になったということを感じる次第です. 共著や東北NLPグループの皆様のお力添えはもちろん,国内発表での沢山の方のご助言によって,この研究を成し遂げることができました.
    本研究では,負例を厳選した選択問題によって「妥当な応答が可能か」対話システムを自動評価する枠組みを構築しました.しかし,応答の妥当性は対話システムが最低限満たすべき要件です.その上で実用シーンごとに望ましい振る舞いができるかが重要となり,対話応答生成システムやその評価方法に関する研究にはまだまだ沢山課題が残っていると感じます.本賞を励みに,今後とも邁進してまいります.
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論文賞
  • 高山 隼矢,梶原 智之,荒瀬 由紀.
    対話における間接的応答と直接的応答からなる言い換えコーパスの構築と分析.
    Vol.29, No.1, pp. 84-111.
    この度は論文賞にご選出いただき,大変光栄に存じます.貴重なご意見をいただいた査読者の皆様と,編集委員会の皆様に心よりお礼申し上げます.本論文では,対話においてしばしば生じる言外の意図を含んだ「間接的な応答」と,明示的に意図に言及した「直接的な応答」との間の言い換え関係に着目し,パラレルコーパスの収集やその分析を行いました.また,ユーザ発話の間接性が対話応答生成に与える影響を調査しました.今回の受賞を励みに,今後も自然言語処理技術の発展に貢献できるよう精進して参ります.
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  • 山田 康輔,笹野 遼平,武田 浩一.
    マスクされた単語埋め込みと2段階クラスタリングを用いた動詞の意味フレーム推定.
    Vol.29, No.2, pp. 395-415.
    この度は2022年度の論文賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。本論文では、動詞の意味フレーム推定において、動詞の文脈化単語埋め込みを用いて一度に全ての事例をクラスタリングするという従来手法の欠点を改善すべく、マスクされた単語埋め込みと2段階クラスタリングを用いた手法を提案しました。意味フレーム関連分野は自然言語処理の基礎解析に関わるもので、近年あまり注目されていない領域ではあるのですが、このように選出いただきとても光栄に思います。今回の受賞を励みに、本研究の最終目標である大規模なテキストコーパスからの意味フレーム自動構築の実現へ向けて、より一層精進して参ります。
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  • 西村 太一,迫田 航次郎,牛久 敦,橋本 敦史,奥田 奈津子,小野 富三人,亀甲 博貴,森 信介.
    BioVL2データセット: 生化学分野における一人称視点の実験映像への言語アノテーション.
    Vol.29, No.4, pp. 1106-1137.
    この度は2022年度の論文賞へ選出していただき誠にありがとうございます。データセットの構築にあたり、ご協力していただいた共著者の皆様、大阪医科薬科大学生理学教室の皆様、本論文の査読をして下さった査読者の皆様、および論文賞の選出に関わった委員の皆様に感謝を申し上げます。本研究では、科学の再現性向上を最終目的に見据え、BioVL2というデータセットを構築しました。このデータセットでは、生化学分野における基礎的実験を一人称視点カメラを通して収録し、各映像に対して言語アノテーションを付与しています。また、構築したデータセットを用いて、映像からプロトコル(=実験手順書のこと)を生成する応用課題にも取り組み、現時点の到達点を議論しています。今回の受賞を励みに、本データセットを発展させ、実世界で使える技術の確立を目指していきたいです。
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2021 (vol.28)

最優秀論文賞
  • 平岡 達也,高瀬 翔,内海 慶,欅 惇志,岡崎 直観.
    テキストベクトルの重みづけを用いたタスクに対する単語分割の最適化.
    Vol.28, No.2, pp. 479-507.
    この度は最優秀論文賞にご選出いただき,誠にありがとうございます.査読や賞選考を担当していただいた皆様に感謝申し上げます.本研究では,タスクに応じて単語分割を最適化する手法の提案を行っています.単語分割の最適化は,自然言語処理に携わる多くの方々がその必要性に気付きながらも,なかなか手を付けられなかった研究テーマだと考えております.本論文が,単語分割の最適化に関する研究を盛り上げる一助となれば幸いです.また本研究は,多くの方々との雑談や偶然の出会いの上に結実したものです.研究遂行に当たりご指導いただいた共著の皆様はもちろん,日々の雑談に付き合っていただいた皆様や学会発表で出会った皆様にも,御礼申し上げます.本研究テーマには手つかずの課題が山積しております.今回の受賞を励みとし,今後も課題解決に向けて邁進してまいります.
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論文賞
  • 小林 颯介,横井 祥,鈴木 潤,乾 健太郎.
    訓練事例の影響の軽量な推定.
    Vol.28, No.2, pp. 573-597.
    この度は論文賞に選出いただき、誠にありがとうございます。
    査読や選考に関わった皆様に深く感謝いたします。本論文はニューラルネットワークの訓練において各訓練事例がモデルに与える影響の効率的な推定方法を提案しました。今回の受賞を励みにして、より多くの人々に影響を与える技術や発見を目指し精進して参りたいと思います。
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  • Hidetaka Kamigaito, Katsuhiko Hayashi, Tsutomu Hirao, Masaaki Nagata and Manabu Okumura.
    Effectiveness of Syntactic Dependency Information for Higher-Order Syntactic Attention Network.
    Vol.28, No.2, pp. 321-349.
    この度は2021年度の論文賞へのご選出,誠に感謝をしております.ご指導及び助言をしてくださった共著者の皆様,並びに論文の質を向上するための建設的なコメントをしてくださった査読者の皆様,また論文賞のご選出にご尽力なされた委員の皆様にはこの場を借りて重ねての感謝をいたします.本研究内容は系列ラベリング問題を対象とした際に,注意機構において依存構造情報を利用可能であるというものです.したがって,自然言語処理分野における系列ラベリング問題としての定式化が可能な様々なタスクへの展開が期待できます.今回の受賞を励みに,当該論文における提案手法を幅広い対象に適用していけますよう,より一層の精進をしていきたいと考えております.
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  • 村上 聡一朗,田中 天,萩行 正嗣,上垣外 英剛,船越 孝太郎,高村 大也,奥村 学.
    数値気象予報からの天気予報コメントの自動生成.
    Vol.28, No.4, pp. 1210-1246.
    この度は2021年度の論文賞に選んでいただき誠にありがとうございました.貴重なご指摘をいただいた編集委員の皆様,査読者の皆様に心より御礼申し上げます.本論文は,実際の天気予報コメントの制作過程に着想を受けて,数値気象予報や気象観測値から天気予報コメントの自動生成に取り組んだものです.一方,言語生成技術の実用化に向けてはまだまだ課題が残されています.今回の受賞を励みに,今後も言語生成技術の発展に貢献できるよう,より一層精進して参ります.
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2020 (vol.27)

最優秀論文賞
  • 栗林 樹生,大内 啓樹,井之上 直也,鈴木 潤,Paul Reisert,三好 利昇,乾 健太郎.
    論述構造解析におけるスパン分散表現.
    Vol.27, No.4, pp. 753-779.
    この度は2021年度最優秀論文賞にご選出いただきありがとうございました.ご指導いただいた共著者の方々や,査読や選考に携わった全ての方々にこの場をお借りして感謝申し上げます.本研究は論述文における談話構造の解析を対象としています.論述文には,例えば想定反論を挙げて反論し返すというようなある種の大域的な型が存在します.このような文章の大域的傾向を捉えやすいようモデルにシンプルな改良を施すことで性能向上を実現しています.本研究では統制されたデータセット上で性能向上を示していますが,例えば学習者の作文の解析・フィードバックなど実社会で求められている課題とは大きな隔たりを感じ,その隔たりにこそ今後取り組むべき問題があると思っています.また自然言語処理の道具立てによって,談話という対象自体の理解を推し進める余地もあると感じています.今回の受賞を励みに,より一層精進して参りたいと思います.
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論文賞
  • Chunpeng Ma, Akihiro Tamura, Masao Utiyama, Eiichiro Sumita and Tiejun Zhao.
    Syntax-based Transformer for Neural Machine Translation.
    Vol.27, No.2, pp. 445-466.
    この度は2020年度の論文賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。査読者の皆様、そして編集委員会の皆様に心より御礼申し上げます。本論文はTransformerという高性能なニューラル機械翻訳モデルに汎用的な構文情報を組み込むために、二つの手法を提案し、機械翻訳性能の改善を実現しました。今回の受賞を励みにして、今後もより一層精進していきたいと思います。
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  • Shohei Higashiyama, Masao Utiyama, Eiichiro Sumita, Masao Ideuchi, Yoshiaki Oida, Yohei Sakamoto, Isaac Okada and Yuji Matsumoto.
    Character-to-Word Attention for Word Segmentation
    Vol.27, No.3, pp. 499-530.
    この度は論文賞に選出いただきまして誠にありがとうございます。本論文の査読・選考をしていただいた皆様、本研究に関して助言いただいた皆様に御礼申し上げます。本論文は、文字情報と単語情報とを組み合わせたニューラルネット単語分割法を提案し、日本語の多ドメインのデータセットを用いて様々な観点での評価・分析を行ったものです。今回の受賞を励みに今後も質の高い研究を行い、特に日本語を扱う言語処理領域の発展の一助となれるよう精進して参ります。
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  • Chunpeng Ma, Akihiro Tamura, Masao Utiyama, Tiejun Zhao and Eiichiro Sumita.
    Encoder-Decoder Attention ≠ Word Alignment: Axiomatic Method of Learning Word Alignments for Neural Machine Translation.
    Vol.27, No.3, pp. 531-552.
    この度は2020年度の論文賞にご選出いただき、誠にありがとうございました。貴重なご指摘をいただいた査読者および編集委員会の皆様に心より感謝申し上げます。本論文はニューラルネットワークに解釈を与える研究の一つとして、Transformerというニューラル機械翻訳モデルのアテンション機構と単語アライメントの関係性について分析し、単語アライメントを学習させる手法を提案しました。さらに、単語アライメントの特徴を分析し、Transformerに限らず、公理的単語アライメントという汎用的な手法を提案し、機械翻訳の性能を改善しました。本受賞を励みに、今後も有意義な研究ができるよう、一層精進していきたいと思います。
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2019 (vol.26)

最優秀論文賞
  • 加藤 明彦,進藤 裕之,松本 裕治.
    複単語表現を考慮した依存構造コーパスの構築と解析.
    Vol.26, No.4, pp. 663-688.
    このような栄誉ある賞を頂き,著者一同,大変嬉しく感じております. 本研究では複単語表現 (MWE)を扱っています. MWEは統語的または意味的な非構成性を有するため,統語的な依存構造の情報を利用し,かつ意味理解が必要なタスクでは,単語ベースの依存構造よりもMWEを単一ノードとする依存構造 (MWEを考慮した依存構造) の方が好ましいと考えます. そこで我々は英語の複合機能語と形容詞MWEの双方を考慮した依存構造コーパスをOntonotesコーパス上に構築しました. また,意味理解が必要なタスクでは句動詞などの非連続な出現を持ちうるMWE(動詞 MWE)の認識も重要であるため,MWEを考慮した依存構造と動詞MWEの双方を予測する問題に取り組みました. 実験の結果,(1) MWEを考慮した依存構造解析,(2) 常に連続して出現するMWE(複合機能語と形容詞MWE)の認識,(3) 動詞MWE認識,以上3者の階層的マルチタスク学習の有効性を確認しています.本研究は主著者が博士課程全体を通じて取り組んだものです.本研究で得られた貴重な経験を生かし,今後もモデル開発と言語資源構築の両面から自然言語処理の研究を行っていきたいと考えています.どうもありがとうございました.
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論文賞
  • 渡邊 大貴, 田村 晃裕, 二宮 崇, Teguh Bharata Adji.
    CKYに基づく畳み込みアテンション構造を用いたニューラル機械翻訳.
    Vol.26, No.1, pp. 207-230.
    このたびは2019年度の論文賞に選んでいただき、誠にありがとうございました。 貴重なご意見をいただいた査読者のみなさま、編集委員のみなさまをはじめ、本論文に携わっていただいた方々には、大変感謝しております。 本論文はニューラル機械翻訳モデルに構文木を学習する構造を組み込むことで、翻訳の性能改善を行ったものです。 本受賞を励みに、今後もより一層精進して参りたいと思います。
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  • 栗田 修平,河原 大輔,黒橋 禎夫.
    ニューラルネットワークを利用した中国語の統合的な構文解析.
    Vol.26, No.1, pp. 231-258.
    この度は2019年度の論文賞にご選出くださり誠にありがとうございます.本論文のご指導を頂いた先生方をはじめ,論文に携わった様々な方々に厚く御礼申し上げます.本論文は中国語の統合的な構文解析に対し,中国語の単語及び文字の事前学習済み埋め込みとニューラルネットワークによる学習手法を組み合わせた手法を提案したものです.学習コーパスには含まれない中国語の語法についてある程度の汎化を可能にした研究と考えております.今後もこの受賞を励みにして,深層学習を利用した自然言語処理の研究および応用に邁進していきたいと思います.
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  • 宮崎 千明,佐藤 理史.
    発話テキストへのキャラクタ性付与のための音変化表現の分類.
    Vol.26, No.2, pp. 407-440.
    この度は2019年度の論文賞に選んでいただきありがとうございます.査読・選考をしてくださった皆様に心より感謝申し上げます.本論文では,発話テキストにキャラクタらしさを与える手段として音変化表現(テキストに文字として現れる音変化)に着目し,音変化表現の収集と音変化表現を人為的に発生させるための知識の整理を行いました.整理された知識は,対話エージェントの発話のキャラクタ付けや小説のセリフの自動生成に活用するだけでなく,日本語の表現バリエーションを集めた一つの資料として,日本語について学びたい・研究したい人の役に立てることができたらと思っています.今回の受賞を励みに,今後も自然言語にかかわる研究と技術開発に邁進いたします.
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  • 田中 貴秋,永田 昌明.
    日本語の文法機能タイプ付き単語依存構造解析.
    Vol.26, No.2, pp. 441-481.
    この度は2019年度の論文書をいただき誠にありがとうございました. 本論文の執筆にあたり,重要なご指摘をいただきました編集委員, 査読者の皆様をはじめ,本論文に関わってくださいました 全ての方々に心より感謝申し上げます. 本研究は,日英機械翻訳において両言語での構文解析を 対称の形にしたいということが動機で始まったものです. 日本語の構文解析を,慣れ親しんだ文節係り受けを一旦離れて, 英語等では一般的である単語依存構造の視点から 見つめ直すことは大変興味深い機会でした. また,期せずして Universal Dependencies の日本語チームの発足と重なりましたのも,関係の方々と日本語解析を多言語処理という立場で議論できる機会を得ることができ幸運でした. 数多くの試行錯誤を重ねて設計・構築を続けてきた言語データの存在は, 本研究にとって欠くことができないものです.根気強く本研究のアノテーションに携わってくださった方々をはじめ, 歴代の貴重な言語資源構築に携わられた方々に深く感謝いたします.
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2018 (Vol.25)

最優秀論文賞
  • 梶原智之,小町 守.
    平易なコーパスを用いないテキスト平易化.
    Vol.25, No.2, pp. 223-249.
    この度は2018年度の最優秀論文賞にご選出いただき誠にありがとうございます。査読者の皆様と編集委員会の皆様に感謝いたします。本論文は、テキスト平易化における少資源問題に取り組むもので、大規模な生コーパスから疑似パラレルコーパスを構築し、その有用性を検証しました。今回の受賞を励みに、今後より一層精進していきたいと思います。この論文は、筆頭著者の博士論文の中核をなす研究をまとめたものです。これまでご指導いただいた皆様に、この場をお借りして心より御礼を申し上げます。
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論文賞
  • 浅原正幸.
    名詞句の情報の状態と読み時間について.
    Vol.25, No.5, pp. 527-554.
    眼球運動に基づいたヒトの言語処理研究に興味をもち、テキストの読み時間の収集とその分析を進めてます。1000Hz で計測した読み時間データと精緻化した情報構造アノテーションを用いて、名詞句の情報構造の違いにより、数十ミリ秒単位の読み時間の差があることを明らかにしました。視線走査装置の手技の習得や情報構造アノテーション基準の検討など、チャレンジしている間は、ずっと楽しいヒトトキでした。その楽しかった研究の成果を、このように評価してくださり、たいへん恐縮です。どうもありがとうございました。本論文は、読み時間データに対して言語情報アノテーションを重ね合わせて、さまざまな言語現象に対するヒトの読み時間の差異を検討する3部作のうちの1つです。残り2論文「日本語の読み時間と節境界情報ー主辞後置言語における wrap-up effect の検証」(『自然言語処理』2019年6月)と「読み時間と統語・意味分類」(『認知科学』2019年6月)もご一読くだされば幸いです。
 
  • 小田悠介,Philip Arthur,Graham Neubig,吉野幸一郎,中村 哲.
    二値符号予測と誤り訂正を用いたニューラル翻訳モデル.
    Vol.25, No.2, pp. 167-200.
    この度は2018年度の論文賞に選んで頂き誠にありがとうございました.著者一同大変感謝しております.本論文はニューラル翻訳モデルで問題となる単語出力層の時間計算量・空間計算量をいかにして削減するかの一つの方向性として,その実質的な下界(対数オーダー)となるアルゴリズムをまず示し,そこから計算量の制約を緩和しながらモデルの頑健性を向上させる方針で手法全体を構築しております.また誤り訂正符号法の適用に関しては,ニューラルネットワークと外部の高速な探索アルゴリズムの連携により全体の推論が構成されるようなモデル構造の例示でもあり,曖昧な分布を捉えるのが得意なニューラルネットワークと,厳密な求解が得意なアルゴリズムをうまく組み合わせることで,よりコンパクトなモデルを実現できる可能性を示しています.本受賞を励みにして,今後も機械翻訳分野で有用なアルゴリズムの研究開発に取り組んで参りたいと思います.
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2017 (Vol.24)

最優秀論文賞
  • 笹野 遼平, 奥村 学.
    大規模コーパスに基づく日本語二重目的語構文の基本語順の分析.
    Vol.24, No.5, pp. 687-703.
    この度は2017年度の最優秀論文賞に選んでいただき誠にありがとうございました.本論文は日本語二重目的語構文の基本語順がどのような語順であるかを大規模コーパスを用いて分析したものです.工学的な有用性を目指した研究ではなく,日本語の性質の分析を目的とした研究であったため,自然言語処理の論文としてどのように評価されるか不安でしたが,このような賞を頂き大変光栄に思います.今後も今回の受賞を励みにより一層精進していきたいと思います.
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論文賞
  • 下岡 和也, 徳久 良子, 吉村 貴克, 星野 博之, 渡部 生聖.
    音声対話ロボットのための傾聴システムの開発.
    Vol.24, No.1, pp. 3-47.
    この度は2017年度の論文賞に選んで頂き,誠にありがとうございました.貴重なご指摘を下さった査読者の皆様,編集委員の皆様,また,選考に携わって下さった皆様に大変感謝しております.この場を借りて,心より御礼を申し上げます.本論文は,特集号「言語処理の応用システム」に採録して頂いた論文で,音声対話ロボットに傾聴の機能を持たせることにより,認知症の予防や孤独感の軽減などに貢献することを目的としたものです.「音声認識誤りを考慮した上で,傾聴において重要な発話をいかに生成するか」という課題に取り組みました.今回の受賞を励みに,今後も社会に大きく貢献できるよう,一層努力を重ね,研究・開発に取り組んで参りたいと思っております.本当にありがとうございました.
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    • 関 喜史, 福島 良典, 吉田 宏司, 松尾 豊.
      多様性の導入による推薦システムにおけるユーザ体験向上の試み.
      Vol.24, No.1, pp. 95-115.
      この度は2017年度の論文賞にご選出くださり誠にありがとうございます.本論文の執筆にあたっては様々な方よりご助言をいただきました.この場をお借りして御礼を申し上げます.本論文は推薦システムにおける多様性がユーザ行動に与える影響を扱ったものであり,手法自体は知られたものですが実験を実際のサービス上で行われた点が研究としての新規性になります.産業界における応用事例を取り上げたこのような研究が論文賞を頂けたことには大きな意味を感じており,引き続き事業を通して得られた知見を学術界に発信し続けることで,産業応用事例が学術的知見として共有されていく流れを作っていく一助となるべく励んで参りたいと思います.
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      • Keisuke Sakaguchi and Ryo Nagata.
        Phrase Structure Annotation and Parsing for Learner English.
        Vol.24, No.3, pp. 491-514.
        栄えある論文賞に選出していただき、誠にありがとうございます。お忙しいなか時間を割いてくださった査読者の皆様、そして編集委員会の皆様には心より御礼申し上げます。アノテーション研究の奥深さ、楽しさが広く伝われば幸いです。今後も良い研究ができるよう一層精進していきたいと思います。
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      2016 (Vol.23)

      論文賞
      • 西川 仁.
        自動要約における誤り分析の枠組み.
        Vol.23, No.1, pp. 3-36.
        この度は2016年度の論文賞にご選出くださり誠にありがとうございました.本論文は自動要約の誤り分析を扱ったもので,システムが出力した要約に含まれうる様々な性質の誤りと,それらが生じる原因とを分析しています.本論文が今後の自動要約研究の一助となれば,これ以上の喜びはありません.本研究は Project Next NLP の一環として行われたもので,執筆に際して様々な方からご助言を頂戴しました.この場をお借りして心より御礼申し上げます.本受賞を励みに,今後もより一層精進して参りたいと思います.どうもありがとうございました.
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      • 松崎 拓也,横野 光,宮尾 祐介,川添 愛,狩野 芳伸,加納 隼人,佐藤 理史,東中 竜一郎,杉山 弘晃,磯崎 秀樹,菊井 玄一郎,堂坂 浩二,平 博順,南 泰浩,新井 紀子.
        「ロボットは東大に入れるか」プロジェクト:代ゼミセンター模試タスクにおけるエラーの分析.
        Vol.23, No.1, pp. 119-159.
        2016年度の論文賞に私たちの論文を選んで頂き,誠にありがとうございました.重要な指摘を多数いただいた編集委員・査読者のみなさまに感謝いたします.また,この論文は筆者も多数ですが,さらに多数のデータ提供者・アノテーター・関連研究者のみなさまのご協力の上での成果です.この場をお借りしてお礼申し上げます.
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      • 2015 (Vol.22)

        最優秀論文賞
        • Hiroshi Noji, Yusuke Miyao.
          Left-corner Parsing for Dependency Grammar.
          Vol.22, No.4, pp. 251-288.
          この度は2015年度の最優秀論文賞に選出いただき、誠にありがとうございました。本論文は、言語に依らず存在する構造上の普遍性について、多言語コーパスを用いて定量的な分析・検証を行ったものです。本論文はどちらかというと言語処理というよりは理学的な計算言語学に寄った研究であるため、自然言語処理の論文としてどのような評価を受けるか不安でしたが、このような賞を頂き大変光栄です。この賞を糧に、今後も言語の構造の数理的な解明に向けて、様々な研究に取り組んでいきたいと思います。
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        論文賞
        • 菊池悠太,平尾努,高村大也,奥村学,永田昌明.
          入れ子依存木の刈り込みによる単一文書要約手法.
          Vol.22, No.3, pp. 197-217.
          この度は2015年度の論文賞に選んで頂き誠にありがとうございました. 本論文の執筆にあたり多くの方よりご助言をいただきました,査読や論文賞の選考に携わっていただいた方々を含め本論文に関わっていただいたすべての方々にこの場を借りて御礼申し上げます.
          著者写真 著者写真 著者写真 著者写真 著者写真
        • 田村晃裕,渡辺太郎,隅田英一郎.
          リカレントニューラルネットワークによる単語アラインメント.
          No.4, pp. 289-312.
          このたびは2015年度の論文賞に選んでいただき,誠にありがとうございました.貴重なご意見をくださった査読者の皆様,編集委員会の皆様をはじめ,本論文に携わってくださった全ての方々に感謝申し上げます.本研究は,近年注目を集めているニューラルネットワークを利用して,統計的機械翻訳にとって重要な処理である単語アラインメントの精度改善を実現したものです.一方で,大規模データへの適用など,課題がまだ残されています.本受賞を励みに,今後も機械翻訳の更なる高度化に貢献できるよう一層精進して参りたいと思います.
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        • 2014 (Vol.21)

          最優秀論文賞
          • 松林優一郎,飯田龍,笹野遼平,横野光,松吉俊,藤田篤,宮尾祐介,乾健太郎.
            日本語文章に対する述語項構造アノテーション仕様の考察.
            Vol.21, No.2, pp. 333-377.
            このたびは私共の論文を言語処理学会最優秀論文賞にご選出いただき,誠にありがとうございました.大変光栄に存じております.また,本論文に関わる議論や執筆においては多くの皆様にご協力頂きました.この場を借りて御礼を申し上げます.本論文は特集号「コーパスアノテーション」に採録されたものです.アノテーションコーパスは現在の言語処理研究において欠かすことの出来ない要素の一つとなっていますが,その設計や構築の方法論,コーパスアノテーションそのものに対する研究のサイクルを維持する方法論は今後より一層知見の集約が求められる領域であると感じています.今回の特集号における様々な議論に加えまして,本論文がそのような流れの一助となれば幸いに思います.今回の受賞を励みに,今後より一層精進していきたいと思います.ありがとうございました.
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          論文賞
          • 松吉俊.
            否定の焦点情報アノテーション.
            Vol.21, No.2, pp. 249-270.
            この度は2014年度の論文賞を賜ることができ,大変光栄に存じます.本研究は,否定の焦点をテーマとして,自然言語処理のためのアノテーション法を論じたものです.これまで研究対象とされてこなかった言語現象についてのアノテーションの研究は,試行錯誤の連続であり,悩ましい事例に頭を抱えることもあります.ですが,「ことば」がもつ面白さ・深みに直接触れることができるということでもありますので,ぜひ若い研究者に積極的に挑戦していただければと存じます.これからも「ことば」の意味を扱う研究に真摯に取り組んでいきたいと存じます.
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          • 林克彦,須藤克仁,塚田元,鈴木潤,永田昌明.
            単語並べ替えと冠詞生成の同時逐次処理: 日英機械翻訳への適用.
            Vol.21, No.5, pp. 1037-1057.
            この度は2014年度の論文賞を頂き,誠にありがとうございました.論文の査読,掲載,論文賞選考に携わっていただいたすべての方々にこの場をおかりして,御礼申し上げます.今後もこの賞を励みとし,本研究の更なる発展を目指して研究に取り組んで参りたいと思っております.
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          • 笹野遼平,黒橋禎夫,奥村学.
            日本語形態素解析における未知語処理の一手法 -既知語から派生した表記と未知オノマトペの処理-.
            Vol.21, No.6, pp. 1183-1205.
            この度は2014年度の論文賞に選んでいただき誠にありがとうございました.本論文は,日本語形態素解析における未知語処理に焦点を当て,一部の未知語については比較的単純な派生ルールとパターンを用いることで高い精度で認識できることを示したものです.本研究で得られた知見が形態素解析における未知語処理の研究を進める上での一助となれば幸いです.今後も今回の受賞を励みにより一層精進していきたいと思います.
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          2013 (Vol.20)

          最優秀論文賞
          • 西川仁, 平尾努, 牧野俊朗, 松尾義博, 松本裕治.
            冗長性制約付きナップサック問題に基づく複数文書要約モデル.
            Vol.20, No.4, pp. 585-612.
            このたびは2013年度の最優秀論文賞に選出いただき,誠にありがとうございます.大変光栄です.本論文の執筆にあたっては様々な方よりご助言をいただきました.この場をお借りして御礼を申し上げます.本研究は複数文書要約を扱ったものですが,現実的なアプリケーションの実現に向けてはまだまだ課題が山積しており,研究の成果を広く社会へ還元するため引き続き努力して参りたいと存じます.今後も皆様のご指導を頂戴できれば幸いでございます.
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          論文賞
          • 藤田早苗, 平博順, 永田昌明.
            画像検索を用いた語義別画像付き辞書の構築.
            Vol.20, No.2, pp. 223-250.
            この度は2013年度の論文賞をいただき,ありがとうございました.本論文は,辞書に画像を付与する方法を探るとともに,画像付与できる語義の特徴を分析したものです.投稿時,言語処理の論文としてこのような内容が受け入れられるかどうか不安でしたが,望外の評価をいただき,非常に勇気づけられました.今後も,更なる発展と深化を目指して取り組んで参りたいと思います.
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          • 吉川克正, 浅原正幸, 松本裕治.
            Markov Logic による日本語述語項構造解析.
            Vol.20, No.2, pp. 251-271.
            この度は言語処理学会論文賞を頂き,誠にありがとうございました.本研究のご指導を頂いた先生方をはじめ,論文執筆を支えてくださった多くの方々に心から感謝しております.本研究は日本語の述語項構造を対象としたものであり,その過程で改めて日本語の意味構造を解析する難しさに気づかされました.限定的な実験設定下では一定の効果を示すことができましたが,まだ多くの課題を残していることも強く感じています.これらの課題解決には,今後時間をかけて取り組みたいと考えております.また本研究で得られた知見が,日本語の意味解析研究を進める上での一助となれば幸いです.
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          • 鍋島啓太, 渡邉研斗, 水野淳太, 岡崎直観, 乾健太郎.
            訂正パターンに基づく誤情報の収集と拡散状況の分析.
            Vol.20, No.3, pp. 461-484.
            このたびは2013年度の論文賞という素晴らしい賞をいただき大変光栄に思います.示唆に富む有益なコメントを下さった編集委員会の皆様,査読者の皆様には心よりお礼申し上げます.本論文は「災害情報と言語処理」特集号に採録いただいた論文です.災害時に流れる情報の信憑性判断を支援することを目的として,ウェブ上から誤情報を網羅的に収集する手法を提案するとともに,東日本大震災時のデータを対象として誤情報がどのように拡散・収束したかの分析に取り組みました.誤情報は災害時だけでなく,平常時でも問題となっています.本研究がこの問題の解決にわずかでも貢献するところとなれば幸いです.今回の受賞を励みに,今後より一層精進してまいります.ありがとうございました.
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          2012 (Vol.19)

          最優秀論文賞
          • 鍜治伸裕, 喜連川優.
            言い換えと逆翻字を用いた片仮名複合名詞の分割.
            Vol.19, No.2, pp. 65-88.
            このたびは言語処理学会最優秀論文賞をいただき,誠にありがとうございました.本論文の執筆にあたっては,様々な方からご助言を頂きました.この場を借りてお礼申し上げます.さて,今回の受賞に際して改めて感じていますのは,地道な積み重ねの重要さです.本研究は,片仮名語というやや特殊な言語表現に焦点をあてているということもあり,ここまで辿りつくためには,今まで以上に時間と苦労が必要だったと感じています.この経験を糧とすることによって,今後も息の長い研究を行っていきたいと思います.
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          論文賞
          • 原島純, 黒橋禎夫.
            テキストの表層情報と潜在情報を利用した適合性フィードバック.
            Vol.19, No.3, pp. 121-142.
            2012年度の論文賞をいただき,大変光栄に思います.本研究は,多くの方々のご支援によって形になったものです.ご支援いただいた全ての方に感謝いたします.一方,本研究には,まだまだ課題が残されています.特に,提案手法におけるネガティブフィードバックの有用性や,他のテストセットにおける提案手法の有効性を調査する必要があると考えています.今後は,この度の受賞を励みに,これらの課題に取り組んでいきたいと思います.
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          • 今村賢治, 齋藤邦子, 貞光九月, 西川仁.
            小規模誤りデータからの日本語学習者作文の助詞誤り訂正.
            Vol.19, No.5, pp. 381-400.
            このたびは素晴らしい賞に選んでいただき,たいへんありがとうございました.これは「不自然言語処理」特集号に採録していただいた論文で,日本語非母語話者の作文に含まれる助詞誤りを訂正しようとしたものです.もともと我々が話す言語は,意思疎通ができれば目的を達成しているので,多様な表現を扱う必要があり,この論文がその一つとなれば幸いです.今後も皆様のご指導をよろしくお願いいたします.
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