■第9回年次大会プログラム委員会からの報告■
言語処理学会第9回年次大会は,本会議での一般発表(口頭発表とポスター発表)が182件に上り,これまでで最大規模の大会となりました.発表申込の件数が前回のそれを越えたので,少し交通の便が悪い会場とは言え首都圏で開催する今回の大会では参加者の数も前回の411を上回るであろうことは予想されましたが,果たして433名となり,これも過去最大になりました.チュートリアルとワークショップも盛況でした.プログラム委員長の手際が悪く,何事も間際になってばたばたしてしまいましたが,他のプログラム委員,実行委員,座長など,多くの方々のおかげで滞りなく運営できたと思います.皆様のご協力に感謝いたします.
今回の大会も,初日の3件のチュートリアル,それに続いて3日間の本会議,最後に1日のワークショップという形をとりました.本会議では,一般発表が多かったためパネルディスカッションは断念し,口頭発表とポスター発表,および2件の招待講演を行ないました.口頭発表は例年通り3パラレルのセッション構成にしましたが,休み時間が少なく,やや窮屈な感じもありました.
不況にもかかわらず(またはそれゆえに?)発表件数も参加者も増加の傾向にあること自体は結構だと思いますが,この傾向が続くとすれば,今後は従来の運営の仕方ではうまく行かなくなりそうです.次回の大会は記念すべき第10回ということでもありますし,大会全体のデザインを考え直す良い機会かも知れません.ポスター発表の割合を増やして議論できる時間を長くする等の方策が考えられます.また,発表が増えていると言っても,大学等からの発表が圧倒的多数を占め,かつその中で文科系の発表がまだまだ少ないと思います.たとえば自然言語処理技術に関連するビジネスモデルについてのチュートリアルや,言語に関する基礎研究に関するパネルディスカッションなど,企業と文科系の割合を増やすための積極的な工夫が必要でしょう.
また,これは以前から指摘されていることですが,やはり大会の規模が拡大しているため,会員のボランティアに依存して大会を運営することが難しくなりつつあるような気がします.大会の運営を可能な範囲でマニュアル化し,さらに可能なら外注すべきでしょう.特に予稿集は,印刷と製本だけでなく表紙や目次の作成も外注できると思います.発表申込はWWW上のツールを使って電子的に受け付けましたが,このツールについても高度化を図るとともに担当者に負荷が集中しない配慮が必要でしょう.
第9回年次大会プログラム委員長
橋田浩一(産業技術総合研究所)
■第9回年次大会実行委員会からの報告■
1. 場所期日
言語処理学会第9回年次大会は横浜国立大学教育文化ホールおよび講義棟6号館において次の期日に開催された.