言語処理学会論文誌編集委員会
言語処理学会の会誌「自然言語処理」に投稿された論文・技術資料の査読手順が一部変更になりますので、お知らせします。
当学会では、投稿論文・技術資料の査読は、編集委員長が1名の査読者をアサインし、第1査読者の査読結果が返戻の場合にのみ、(第1査読者の査読結果を知らせずに)第2査読者を立て、第1査読者(及び、場合によっては第2査読者)の査読結果に基づいて、会誌の発行時期に合わせ年4回行われる編集委員会において採否を確定する方式を採用してまいりました。また、第1査読者が採録と判断した論文に関しては、この1名の査読結果のみに基づいて編集委員会において採録が妥当であるかを議論し、採録レベルに達しないと判断した論文については、編集委員会終了後、例外的に第2査読者を立てて、第2査読終了後の編集委員会において採否を確定するなどの運用をしてきました。
しかし、上記現状の査読システムでは、下記のような問題が顕在化してきました。
- 第1査読者が(必要に応じ複数の照会後)返戻と判断した場合、その後に第2査読者による査読が始まるので、採否確定までに長い時間が必要となる。
- 第1査読者が(必要に応じ複数の照会後)採録の判定をしたのちに、編集委員会で判定が覆った場合、著者の不満が大きい。
- 編集委員会判断で例外的に第2査読者を立てた場合には、査読期間がさらに長くなってしまう。
- 第1査読者が採録判断の場合、その1名の査読結果のみに基づき編集委員会で判断することになり、客観的で正確な採否判断ができない危険性がある。
- 査読者の割り当ては編集委員長のみが担当しているため、専門が大きく異なる投稿論文に対する査読者の選定が困難な場合があるなど、編集委員長の負担が重い。
上記問題を回避すべく議論した結果、論文誌編集委員会および理事会において今回以下の改善案が提案され承認されました。
- 各投稿論文・技術資料について、編集委員長が担当編集委員を指名する。
- 担当編集委員は2名の査読者を選定・依頼し、査読者を確定する。
- 2名の査読者による並列査読を行う。
- 2名の査読結果が異なる場合には、担当編集委員が責任を持って結果の調整を行う(詳細は後日学会HPに掲載予定の査読要領を参照)。
- 2名の査読結果が確定したのち、編集委員会で採否を判断する。
- 編集委員は担当編集委員としての業務が増えるのに対応し、2009年10月の編集委員交代時期に合わせ編集委員数を9名から11名に増員する。
- 本運用は2010年1月1日以降に編集委員会(事務局)が受理した論文から適用とする。
本査読要領の変更のご理解と、積極的な論文投稿をよろしくお願いいたします。