言語処理学会ニュースレター

Vol. 20 No. 1 (2013年2月22日発行)

目次

企画記事:国際会議参加レポート (第2回 COLING 2012参加報告)
言語処理学会第19回年次大会(NLP2013)開催案内
  • 発表募集および事前参加登録は締め切りました.
  • 懇親会は受付を終了しました.当日受付はございません.
  • 大会プログラムを公開しました ( http://www.anlp.jp/nlp2013/ ).
  • 招待講演の詳細が決定しました.
  • ライトニングトーク募集「コーパスアノテーションの可能性と共有化」
第19回通常総会開催案内
第19回年次大会 スポンサーの募集

□企画記事:国際会議参加レポート (第2回 COLING 2012参加報告)

国際会議参加レポート企画の第2回として,昨年12月にインド・ムンバイで開催された「COLING 2012」参加レポートをお送りします.今回は,年末年始の忙しい時期を挟んだにも関わらず,総勢7名の方から論文紹介を中心としたレポートをご寄稿頂きました.今回も大変充実した内容となっておりますので,是非ご一読下さい.


 なお,今回の会議報告は,情報処理学会自然言語処理研究会と連携して企画しました.2013年1月11・12日に宮崎で開催された第210回自然言語処理研究会では,2日目の最後に3時間の特別セッションを設け,今回,寄稿いただいた方々に論文紹介という形で発表していただきました (*1).この会議報告はその発表を文章にまとめたものです.なお,当日の発表スライドのpdfファイルは自然言語処理研究会の当日のプログラムページ (*2) から入手することができます.


 飯田龍   COLING2012参加報告(その1)-概要-
 URL: http://www.anlp.jp/doc/IC/ICreportv02/coling2012-1.pdf


 金山博   COLING2012参加報告(その2)-論文紹介-
 URL: http://www.anlp.jp/doc/IC/ICreportv02/coling2012-2.pdf


 中澤敏明  COLING2012参加報告(その3)-論文紹介-
 URL: http://www.anlp.jp/doc/IC/ICreportv02/coling2012-3.pdf


 原一夫   COLING2012参加報告(その4)-論文紹介-
 URL: http://www.anlp.jp/doc/IC/ICreportv02/coling2012-4.pdf


 東中竜一郎 COLING2012参加報告(その5)-論文紹介-
 URL: http://www.anlp.jp/doc/IC/ICreportv02/coling2012-5.pdf


 山田一郎  COLING2012参加報告(その6)-論文紹介-
 URL: http://www.anlp.jp/doc/IC/ICreportv02/coling2012-6.pdf


 渡辺陽太郎 COLING2012参加報告(その7)-論文紹介-
 URL: http://www.anlp.jp/doc/IC/ICreportv02/coling2012-7.pdf


(*1) 残念ながら渡辺陽太郎さんは当日体調不良のため参加されませんでした.
(*2) http://www.nl-ipsj.or.jp/past/NL210program.html


(担当編集委員 乾孝司,船越孝太郎)


□言語処理学会第19回年次大会(NLP2013)開催案内

言語処理学会第19回年次大会(NLP2013)を名古屋大学において以下の要領により開催いたします.

    ★★★ 新着情報 ★★★


★ 発表募集および事前参加登録受付は締め切りました.参加を御希望の方は当日受付までお越し下さい.
★ 懇親会につきましては,会場の最大収容人数に達しましたので,受付を終了しました.当日受付はございません.
★ 大会プログラムが大会Webサイト ( http://www.anlp.jp/nlp2013/ ) にて公開されています.
★ 招待講演の詳細が決定しました.
★ テーマセッション「コーパスアノテーションの可能性と共有化」にてライトニングトークを募集しておりますので,ご興味のある方は本メールのテーマセッションのセクションをご覧ください.


◯ 大会Webサイト

大会Webサイトが,以下のURLで開設されております.
順次,情報をアップデートいたしますので,こちらもご覧ください.

http://www.anlp.jp/nlp2013/

◯ 開催日時

2013年3月12日(火)- 3月15日(金)
3月12日(火) チュートリアル
3月13日(水) 本会議第1日
3月14日(木) 本会議第2日
3月15日(金) 本会議第3日


◯ 会場

名古屋大学 東山キャンパス IB電子情報館・ES総合館
所在地:〒464-8601 名古屋市千種区不老町


◯ 今後のスケジュール

予稿集Web公開            2013年 3月 4日 (月)

○ テーマセッション

テーマセッション1: コーパスアノテーションの可能性と共有化

従来,言語研究や工学利用を目的として,形態論レベルから意味論・語用論レベルまで様々なアノテーションが新聞記事やウェブテキスト等を主な対象として提案され実施されてきた.2011年12月に『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)が一般公開されたことによって,新聞記事やウェブテキストに限られない多様なジャンルのテキストが単一のコーパスとして共有化された.これに対してジャンル横断的に種々のアノテーションを適用することにより,異なるレベルのアノテーションを重ね合わせて利用する可能性が生まれた.本テーマセッションではBCCWJのコア(約130万語)の全体ないし一部を対象としてこれまでに実施されたアノテーションの試みの紹介,新しいアノテーション仕様の提案,構築事例,支援環境,共有化,言語処理・言語研究での新しい応用に関する研究発表を公募する.


本テーマセッションでは『現代日本語書き言葉均衡コーパス』に対するさまざまなアノテーションについての情報を集積するべく,総合討議の時間にライトニングトークを企画しております.既発表の研究でも,現在進行中の研究でも構いません.1件あたり持ち時間5分のライトニングトーク希望の方は,本テーマセッション企画担当(浅原(国語研) masayu-a/at/ninjal.ac.jp )まで 2月末を目途に発表予定タイトルをご連絡ください.


提案者
前川喜久雄(国立国語研究所言語資源研究系)
淺原正幸(国立国語研究所コーパス開発センター)

テーマセッション2: 防災・減災・災害時における言語情報処理

2012年年次大会のテーマセッション,東日本大震災ビッグデータワークショップ,「自然言語処理」特集号「災害情報と言語処理」など,災害情報における言語処理に関する研究の重要性が増しています.このような災害情報における言語処理に関する研究は,一過性のものではなく,常に研究をして準備をしておく必要性があります.そのため,本テーマセッションは,昨年度に引き続き,災害時における言語情報処理技術の役割を見つめ,インターネットなどで溢れる言語情報を,いかに整理し,必要としている人に提供するかに関する議論・アイディアの共有を目的とします.防災・減災・災害時の言語情報処理に関するあらゆる課題を対象とします.特に,日常的に有効であり,災害時には更に有効な言語処理に関する話題を歓迎します.
また,本テーマセッション内では招待講演として,「東日本大震災ビッグデータワークショップ - Project 311 -」の運営委員会の一人であるグーグル株式会社の賀沢秀人氏より,ワークショップのまとめや今後の展開について,言語処理との関係やデータ提供者からのフィードバックについても言及していただきながら,ご講演をいただきます.


提案者
荒牧英治(東大)
内山 将夫(NICT)
グラム・ニュービッグ(奈良先端大)
藤田 篤(未来大)
村上 浩司(楽天)

テーマセッション3: 医療における自然言語処理の資源とアプリケーションの整備に向けて

医療分野で,自然言語処理技術の発展が期待されている.医療分野は,診療情報から会計情報,画像情報と,取り扱う情報が多彩で量も多く,その中でも,自然言語データの重要性は高い.昨今指摘されている医療従事者の労働環境を改善していく上で,こうした特徴を有する医療用情報システムの高度化は欠かせず,その中核技術として,自然言語処理技術の発展は必須である.本セッションでは,医療において言語処理に何ができるか,何が必要とされているか?を医療従事者も交え議論できるようにしたい.


提案者
荒牧英治(東大)
奥村貴史(国立保健医療科学院)
建石由佳(NII)

○ 招待講演

次のお二方をお招きし,ご講演いただく予定です.
内容の詳細は下記をご参照ください.
http://www.anlp.jp/nlp2013/#invited_talk

招待講演1: 2013年3月13日(水)10:30-11:30 IB大講義室 + IB015
「脳は計算機科学者に解明されるのを待っている − 機械学習器としての脳 −」
一杉 裕志 氏(産業技術総合研究所)
概要: http://www.anlp.jp/nlp2013/talk_ichisugi.pdf (PDF)
略歴:
1990年東京工業大学大学院情報科学専攻修士課程修了.1993年東京大学大学院情報科学専攻博士課程修了.博士(理学).同年電子技術総合研究所(2001年より産業技術総合研究所)入所.プログラミング言語,ソフトウエア工学の研究に従事.2005年より計算論的神経科学の研究に従事.

招待講演2: 2013年3月14日(木)15:00-16:00 IB大講義室 + IB015
「役割語研究の現在」
金水 敏 氏(大阪大学)
概要: http://www.anlp.jp/nlp2013/talk_kinsui.pdf (PDF)
略歴:
1956年,大阪に生まれる.大阪大学大学院文学研究科教授.博士(文学).東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了.大阪女子大学文芸学部講師,神戸大学文学部助教授等を経て現職にいたる.専門は,日本語史(特に文法史),役割語の研究.2006年に『日本語存在表現の歴史』で新村出賞受賞.主な著作として『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店,2003年),『役割語研究の展開』(くろしお出版,2011年,編著),『シリーズ日本語史 文法』(岩波書店,2011年,共著)等.

○ チュートリアル

2トラックで合計4件のチュートリアルを行います.以下の4名の方々を講師としてお迎えします.

(T-a) 2013年3月12日(火)10:30-12:10 IB大講義室
「言語処理研究におけるソフトウェアの開発と公開」
岡崎 直観 氏(東北大学 大学院情報科学研究科)
吉永 直樹 氏(東京大学 生産技術研究所)
工藤 拓 氏(グーグル株式会社)
概要:
近年,言語処理分野では ACL/EMNLP/COLING など主要会議を中心に,実験に用いたプログラムやデータの公開を学会として評価・促進する動きが生まれています.本チュートリアルでは,このような流れをさらに促進すべく,言語処理研究に必要となる開発スキルとその養成方法,また研究成果(実験コード)を公開する意義やノウハウを,講演者が実際に研究室で行なっている取り組みや,開発したソフトウェアなどを例にとって説明します.さらに,実装上の工夫,モデルの選択,テスト,評価,開発プロセス等の観点から,自然言語処理の実アプリケーションの開発を概観します.

(T-b) 2013年3月12日(火)10:30-12:10 IB015
「テキストアノテーション:現状と今後の方向性」
飯田 龍 氏(東京工業大学 大学院情報理工学研究科)
概要:
近年の自然言語処理では,出力したい情報(タグ)をテキストに付与(アノテーション)することでタグ付きコーパスを作成し,そのコーパスをもとに自動的にタグを付与するモデルを構築するという方法論が広く利用されている.この方法論は形態素解析のような自然言語処理の基礎技術から評判情報抽出などの応用処理にいたるまで,さまざまな問題設定において採用されている.本チュートリアルでは,さまざまなアノテーションの問題設定のうち,発表者がこれまでに関係した照応解析や談話構造解析などの談話解析におけるアノテーションを例題に,人手でアノテーションを行う際の問題設計の方針や,実際にアノテーションを行っていく過程で起こった問題について紹介する.さらにこれまでのアノテーションの経験を通じて見えてきた今後の方向性についても議論する.

(T-c) 2013年3月12日(火)13:20-15:00 IB大講義室
「言語処理の後先(あとさき):意味はどこから来てどこへ行くのか.」
齋藤 洋典 氏(名古屋大学 大学院情報科学研究科 認知情報論講座)
概要:
認知心理学や心理言語学の分野では,発話の聞き取りや産出において,発話意図に沿った適切な語が迅速かつ正確に選択される処理過程が語彙接近(lexicalaccess)の名の下に研究されている.
多くの語彙接近モデルは,3種類の制約の下に提案されている.第1に,アルファベット表記文字,特に綴り字と発音に例外を多く含む英語を中心に提起されている.第2に,話し手(書き手)か聴き手(読み手)の個人内の脳に閉じて構築されている.第3に,人の言語処理活動が言語処理に閉じて遂行されることを仮定している.
ところが,現実には周知のように,人の言語処理活動は,複数の異なる言語と表記によって行われ,話し手と聞き手の両者の意味処理活動は社会的文脈の中で展開され,そして,そうした言語行動は,単独ではなく,身体運動などとともに生起することが多い.
人の言語処理活動の後先に生起する諸活動を含めて,言語処理活動を支える意味がどこから来てどこへ行くのかを,近赤外分光法(NIRS)を用いた研究を手がかりとして再考する.

(T-d) 2013年3月12日(火)13:20-15:00 IB015
「組合せ最適化入門:線形計画から整数計画まで」
梅谷 俊治 氏(大阪大学 大学院情報科学研究科)
概要:
線形計画問題において変数が整数値を取るという制約を持つ整数計画問題は,産業や学術の幅広い分野における現実問題を定式化できる汎用的な最適化問題の1つであり,近年では分枝限定法に様々なアイデアを盛り込んだ高性能な整数計画ソルバーがいくつか公開されている.しかし,整数計画問題では与えられた現実問題を線形式のみを用いて記述する必要があるため,最適化の専門家でない利用者にとって現実問題を整数計画問題に定式化することは決して容易な作業ではない.そこで,本講演では,最適化の専門家ではない利用者が現実問題を整数計画問題に定式化できるようになることを目指して,線形計画法と整数計画法の基本から始めて,定式化のテクニック,整数計画ソルバーの利用法までを解説する.

◯ 予稿集

本大会では,大会の1週間前(2013年3月4日(月))に予稿集をWeb上で公開します.ダウンロード・サイトのURLは参加証の発送時に同封します.CD-ROMおよび印刷製本版の予稿集は作成いたしませんので,あらかじめ予稿集をダウンロードして大会にいらっしゃるようお願いします.

◯ 参加登録

◆ 事前参加登録

事前参加登録は締め切りました.参加を御希望の方は当日受付までお越し下さい.

◆ 参加費

会員種別によって,以下の参加費をいただきます.

 一般会員:当日受付6,000円(不課税)
 学生会員:当日受付3,000円(不課税)
 非会員:当日受付10,000円(税込)
 非会員(学生):当日受付6,000円(税込)

 ・チュートリアル参加費は,本会議参加費に含まれます.
 ・チュートリアルにのみ参加する場合も,本会議参加費が必要です.

◆ 懇親会(当日受付なし)

会場の最大収容人数に達しましたので受付は終了しました.

 日時:3月14日(木) 19:00-
 会場:ブラッスリー ポール・ボキューズ ラ・メゾン
 形式:立食

◯ 委員一覧

大会実行委員会
委員長 佐藤 理史 (名大)
委員 奥村 学 (東工大)
菊井 玄一郎 (岡山県立大)
颯々野 学 (ヤフー)
関根 聡 (NYU,楽天技研)
徳永 健伸 (東工大)

大会プログラム委員会
委員長 徳永 健伸 (東工大)
委員 飯田 龍 (東工大)
乾 孝司 (筑波大)
岩倉 友哉 (富士通研)
荻野 紫穂 (日本IBM)
鍜治 伸裕 (東大)
川添 愛 (NII)
木村 泰知 (小樽商科大)
笹野 遼平 (東工大)
ジェプカ ラファウ (北大)
徳久 良子 (豊田中研)
永田 昌明 (NTT)
西川 仁 (NTT)
ニュービッグ グラム (奈良先端大)
萩原 正人 (楽天技研)
水野 淳太 (東北大)
村脇 有吾 (京大)
山田 一郎 (NHK)
横野 光 (NII)
渡辺 太郎 (NICT)
アドバイザ 関根 聡 (NYU,楽天技研)

大会実施委員会
委員長 佐藤 理史 (名大)
委員 大野 誠寛 (名大)
小川 泰弘 (名大)
加藤 芳秀 (名大)
駒谷 和範 (名大)
佐々木 裕 (豊田工大)
外山 勝彦 (名大)
中村 誠 (名大)
松原 茂樹 (名大)

◯ 問い合わせ先

お問い合わせは次のメールアドレスにお願いいたします.

言語処理学会第19回年次大会 プログラム委員会 委員長 徳永健伸
Email: nlp2013-inquiry@googlegroups.com

□第19回通常総会開催案内

第19回通常総会を下記の要領で開催いたします.2012年度論文賞および第18回年次大会優秀賞,若手奨励賞の表彰式も行います.会員の皆様はぜひご参加下さい.

・ 日時: 2013年3月14日(木) 13:40 - 14:40
・ 会場: 名古屋大学 東山キャンパス IB大講義室 (IB電子情報館中棟2F)
 http://www.nagoya-u.ac.jp/global-info/access-map/access/
・ 総会次第
 1.会長挨拶
 2.論文賞・年次大会優秀賞・若手奨励賞の表彰
 3.2012年度活動報告
 4.2012年度決算報告,監査報告
 5.2013年度活動計画
 6.2013年度予算案
 7.2013年度評議員構成,役員構成
 8.その他

□第19回年次大会 スポンサーの募集

年次大会では,下記の内容でスポンサー企業,団体を募集いたします.
スポンサー応募の締切りは2月28日になっておりますが,すでに広告の掲載カンファレンスバッグへのロゴの掲載,展示の受付は終了しました.
今後ご応募された場合には,HPでのロゴの掲載,カンファレンスバッグにパンフレットなどの挿入を行います.

◆ スポンサーの種類,料金と特典

料金 1)ロゴ 2)広告 3)展示 4)パンフレット
プラチナ 20万円 Web(大) 終了 終了 可能
ゴールド 10万円 Web(中) 終了 終了 可能
シルバー 3万円 Web(小) 終了 可能


◆ 特典
1)ロゴ
年次大会のWebページにおいて,ご希望のリンク先へのリンクを張ったロゴを表示します.カンファレンスバッグへのロゴの掲載は終了しました.

2)広告
広告申込の受付は終了しました.

3)展示
展示の受付は終了しました.

4)パンフレット
年次大会の参加者全員に,受付時にご希望のパンフレット,チラシなどを配布します.

◆ 応募先・問い合わせ先
言語処理学会第19回年次大会 スポンサー担当
関根聡,小原京子,石川真奈見
Email: nlp2013-sponsor@googlegroups.com

学会に関する問い合わせ先

中西印刷株式会社 言語処理学会事務局
〒602-8048 京都市上京区下立売通小川東入ル
e-mail nlp@nacos.com

ニュースレター担当理事
颯々野 学 (ヤフー株式会社)
e-mail msassano (at) yahoo-corp.jp