言語処理学会ニュースレター

Vol. 24 No. 1 (2017年2月24日発行)

目次

言語処理学会第23回年次大会(NLP2017)開催案内
第23回年次大会 テーマセッションの開催案内
第23回年次大会 特別ワークショップの開催案内
「自然言語処理」特集号「言語処理の応用システム」論文募集
COLING 2016の開催報告

□言語処理学会第23回年次大会(NLP2017)開催案内

言語処理学会第23回年次大会(NLP2017)を筑波大学において以下の要領によ り開催いたします.本大会は筑波大学との共催で開催されます.


◯ 大会Webサイト

大会Webサイトは以下のURLにて開設しています.順次,情報をアップデートい たしますので,こちらもご覧ください.

http://www.anlp.jp/nlp2017/


◯ 開催日時

2017年 3月13日(月)〜 3月17日(金)
    3月13日(月) チュートリアル   (13:00-17:00)
    3月14日(火) 本会議 第1日    ( 9:00-18:30)
    3月15日(水) 本会議 第2日    ( 9:00-17:40)
    3月16日(木) 本会議 第3日    ( 9:00-18:50)
    3月17日(金) 特別ワークショップ ( 9:35-11:25)


◯ 会場

筑波大学 筑波キャンパス 春日エリア
所在地:〒305-8550 茨城県つくば市春日1-2
(つくばエクスプレスつくば駅から徒歩7分)


◯ 予稿集

本大会では,大会の1週間前(2017年3月6日(月)の予定)に予稿集をWeb上で 公開する予定です.CD-ROMは作成しませんのであらかじめ予稿集をダウンロー ドして大会にいらっしゃるようお願いします.ダウンロード・サイトの情報に ついては参加申し込みをいただいた後にご連絡いたします.印刷製本版の予稿 集も作成いたしませんのでご注意ください.


◯ 今後のスケジュール

 予稿集Web公開 2017年3月6日(月)

● チュートリアル

3月13日(月)には,以下の4つの分野のチュートリアルを行う予定です.

・3月13日(月)13:00-14:45 A会場(春日講堂)
◆講演者:馬場 雪乃 氏(京都大学)
◆題目:ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング
◆概要:
ヒューマンコンピュテーションとは,コンピュータだけでは,あるいは人間だ けでは解決が難しい問題を,コンピュータの計算能力と人間の判断能力を組み 合わせて解決しようという考え方である.不特定多数の労働力を獲得するため の仕組みであるクラウドソーシングの普及も後押しとなり,人工知能分野にお いて,ヒューマンコンピュテーションの研究が活発に行われている.ヒューマ ンコンピュテーションの実現において特に重要なのは,人間の判断の信頼性保 証である.本チュートリアルでは,ヒューマンコンピュテーションとクラウド ソーシングの基礎と応用を解説するとともに,機械学習を用いて,複数の人間 の判断を統合して判断の信頼性を向上する技術と,複数の人の中から信頼性の 高い判断者を見つけ出す技術を紹介する.また,機械学習のためにヒューマン コンピュテーションを活用する研究についても紹介する.


・3月13日(月)13:00-14:45 B会場(A205)
◆講演者:金山 博 氏(日本IBM東京基礎研究所)
     田中 貴秋 氏(NTTコミュニケーション科学基礎研究所
◆題目:Universal Dependenciesと日本語
◆概要:
Universal Dependencies (UD)は,複数の言語の構文を共通化した構造で表現す ることにより,他の言語のコーパスを用いた言語横断的な学習,言語間の定量 的な比較などを可能にするための枠組みである.2016年末現在,日本語を含む 約50の言語に対してタグセットの定義や言語資源が公開されている.日本語に ついては,講演者らのチームで仕様の策定や言語資源の作成を行っている.本 講演では,これまでの議論や現状の言語資源を紹介し,日本語を題材とした研 究の活性化を目指す.


・3月13日(月)15:15-17:00 A会場(春日講堂)
◆講演者:中澤 敏明 氏(JST)
◆題目:ゼロから始めるニューラルネット機械翻訳
◆概要:
ニューラルネットワークを利用したEnd-to-Endの機械翻訳(Neural network Machine Translation,NMT)が提案されてからまだ2,3年ほどしか経過していな いが,20年以上研究されてきた統計翻訳(Statistical Machine Translation, SMT)の精度を大きく上回ったという報告が多く挙がっている.また2016年11月 にGoogle翻訳が日本語を含む8つの言語を対象にNMTの提供を開始したというニ ュースは大きな話題となり,その精度の向上ぶりには一般ユーザーだけではな く,翻訳関係者や研究者にも衝撃を与えた.本チュートリアルではSMTと比較し ながらNMTの仕組みを解説し,その翻訳精度や現状のNMTで一般的に問題となっ ている点について述べ,これらの問題点に対する最新の研究成果を紹介する. またオープンソースのNMTシステムを紹介し,今後NMTとどう向き合うべきかを 議論する.なお本チュートリアルではニューラルネットワークの基礎の解説は 行わない.


・3月13日(月)15:15-17:00 B会場(A205)
◆講演者:西村 義樹 氏(東京大学)
◆題目:文法と意味:認知言語学の視点
◆概要:
1.認知言語学のどこが「認知」的なのか?:同じく言語知識の解明を目指す生 成文法との根本的な違いは何か?
2.言語を用いたコミュニケーションにおいて伝達されるメッセージを言語の知 識に属する部分(コンテクスト中立的/意味論的な意味)とそれ以外の部分(コ ンテクスト依存的/語用論的な意味)に二分することはできるのか?
3.そもそも(狭義の)文法とは何か? すべての言語の知識に(語彙に加えて) 文法があることの意義は何か?
4.文法と意味はどのような関係にあると考えるのが適切なのか?
5.文の意味を決定する要因として真理条件以外に何がどうして必要なのか?
6.語彙的な知識と文法的な知識はどのような関係にあるのか?両者は別個の領 域なのか,それとも,(スペクトルにおける緑と青のように)連続体を構成し ているのか?語彙項目の意味と語彙項目(例えば動詞)が生じる構文の意味は どのように関係しているのか?


● 招待講演

以下の2件の招待講演を行う予定です.


・3/14(火) 9:30-10:30 A会場(春日講堂)
◆講演者:後藤 真孝 氏(国立研究開発法人 産業技術総合研究所)
◆題目:「音楽情報処理の最前線を紹介しつつ言語処理との接点を探る」
◆概要
デジタル化された音楽コンテンツが持つ潜在的な可能性は,まだ充分には引き 出されていない.従来は多量のコンテンツに受動的にアクセスできる量的な変 化(コンテンツ数が増える変化)が中心であった.次の段階は,「コピー不可 能な能動的体験」により価値を創出する質的な変化(体験の質が変わる変化) であり,それこそがデジタル化の本質である.その実現を目指した音楽情報処 理研究の最前線を紹介し,そうした潜在的な可能性をいかに引き出すか,もは や全貌がつかめない日々生まれる膨大なコンテンツをいかに視聴するか,人々 が気軽に楽しめる形でいかに創作を支援するかを議論する.その上で,言語処 理との接点を探り,音楽情報処理に言語処理が活用されている事例等を紹介す る.最後に,技術の力で未来を切り拓くことを志して,学術論文で知見を共有 するだけでなく,技術の使われ方を提示したり,技術を直接利用可能にしたり, 他の技術を創出可能にしたりするアプローチについても議論する.
◆略歴
1998年早稲田大学大学院 理工学研究科 博士後期課程修了.博士(工学).同 年,電子技術総合研究所に入所し,2001年に改組された産業技術総合研究所に おいて,現在,情報技術研究部門 首席研究員 兼 メディアコンテンツ生態系 プロジェクトユニット代表.JST ACT-I「情報と未来」研究総括,IPA未踏IT人 材発掘・育成事業PM,統計数理研究所 客員教授,筑波大学大学院 教授(連携 大学院)を兼任.日本学士院学術奨励賞,日本学術振興会賞,ドコモ・モバイ ル・サイエンス賞 基礎科学部門 優秀賞,科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞,星雲賞【ノンフィクション部門】等,43件受賞.計算機によっ てメディアコンテンツを自在に扱える技術の確立を目指し,音楽情報処理等の 研究を24年間推進.


・3/16(木) 14:00-15:00 A会場(春日講堂)
◆講演者:山梨 正明 氏(京都大学名誉教授,関西外国語大学教授)
◆題目
「認知言語学---言語科学の静かなる革命」
◆概要
 認知言語学のアプローチでは,言語能力は,生物の延長としての人間の身体 性を反映する一般的な認知能力によって動機づけられ,認知能力からの発現の 一形態として位置づけられる.この視点は,身体性に関わる前-表象的,前-記 号的な生きた経験の場から,言語知識の発現と分節化のプロセスを根源的に問 い直していく立場を意味する.
 認知言語学は,これまでの構造言語学,生成文法,等の言語学の研究パラダ イムの基本的な前提に対する批判から出発し,経験科学としての言語学を根源 的に問い直す新しいパラダイムとして着実に進展している.認知言語学の研究 は,音韻・形態論,語用論,談話・テクスト分析,修辞学,言語類型論,言語習 得論,外国語教育,等に適用され,着実にその研究のスコープを広げ,学際的 で包括的な言語研究のアプローチとして(また経験科学としてより説明力をも つ言語学のアプローチとして)進展している.本講演では,21世紀の新しい 言語学のパラダイムである認知言語学の基本的な考え方,方法論,具体的な研 究事例,等を解説しながら,今後の言語科学と認知科学の新たな探求の方向を 探っていく.
◆略歴
1948年静岡県生れ.1971年カリフォルニア大学 (言語学,B.A.),1972年ミシガ ン大学 (言語学,M.A.),1975年ミシガン大学 (言語学,Ph.D.) .京都大学名 誉教授,現在 関西外国語大学教授.前日本認知言語学会会長,前日本語用論学 会会長.日本認知科学会フェロー.市河三喜賞を受賞.著書『発話行為』(大修 館書店),『比喩と理解』(東京大学出版会) ,『認知言語学原理』(くろしお出 版),『認知意味論研究』(研究社),『修辞的表現論』(開拓社),『自然論理と 日常言語』(ひつじ書房),ほか.編著 Cognitive Linguistics.(Vol.1〜Vol.5) Edited by M.Yamanashi (London: Sage Publications, 2016).



◯ 参加登録

事前参加登録は2017年2月15日(水)で締め切られました.参加をご希望の場合 は,当日,会場受付にて参加の登録をお願いします.


◆ 参加費
  会員種別によって,以下の参加費をいただきます.
   一般会員:当日受付8,000円(不課税)
   学生会員:当日受付5,000円(不課税)
   非会員:当日受付15,000円(税込)
   非会員(学生):当日受付8,000円(税込)
・チュートリアル,ワークショップの参加は,本会議参加費に含まれます.
・チュートリアルまたはワークショップのみ参加・聴講する場合も,本会議参 加費が必要です.


◯ 懇親会

日時:3月15日(水)18:30-20:30
場所:オークラフロンティアホテルつくば

すでに定員に達しており,参加申し込みを締め切らせていただきました.あし からずご了解下さい.


◯ 委員一覧

大会委員会
委員長         加藤 恒昭   (東大)
副委員長        山本 和英   (長岡技科大)
委員 実行委員長    山本 幹雄   (筑波大)
   プログラム委員長 相澤 彰子   (NII)
   渉外       関根 聡    (NYU)
   財務       永田 昌明   (NTT)


大会プログラム委員会
委員長         相澤 彰子   (NII)
副委員長        林 良彦    (早大)
委員          内山 清子   (湘南工科大)
            大熊 智子   (富士ゼロックス)
            大附 克年   (マイクロソフト)
            岡崎 直観   (東北大)
            狩野 芳伸   (静岡大)
            後藤 功雄   (NHK)
            小林 雄一郎  (東洋大)
            貞光 九月   (NTT)
            白井 清昭   (JAIST)
            田中 貴秋   (NTT)
            塚田 元    (豊橋技科大)
            徳久 雅人   (鳥取大)
            西川 仁    (東工大)
            松吉 俊    (電通大)
            宮崎 林太郎  (ヤフー)
            宮部 真衣   (和歌山大)
            三好 利昇   (日立製作所)
            村上 明子   (日本IBM)
            村上 浩司   (楽天技研)
            横野 光    (富士通研)
            吉岡 真治   (北海道大)
            渡邉 陽太郎  (PKSHA Technology)
アドバイザー      森 辰則    (横国大)


大会実行委員会
委員長         山本 幹雄   (筑波大)
委員          宇津呂 武仁  (筑波大)
            乾 孝司    (筑波大)
            関 洋平    (筑波大)
            若林 啓    (筑波大)
            津川 翔    (筑波大)


○ 問い合わせ先
お問い合わせは次のメールアドレスにお願いいたします.

言語処理学会第23回年次大会 プログラム委員会
Email: nlp2017-inquiry@anlp.jp



□第23回年次大会 テーマセッションの開催案内

本会議内に以下の3件のテーマセッションを設けます.

◯ テーマセッション1 「言語教育と言語処理の接点」

[趣旨]
自然言語処理の分野では近年言語教育への応用を指向する研究が活発に進めら れ,学習者の読解や作文を支援するシステム,学習者の作文を自動添削するシ ステム,学習者の作文を自動採点するシステムなどの開発も行われるようになっ てきている.また,第14回の年次大会(2008年)では,「教育・学習を支援する 言語処理」と題するワークショップも企画されている.このように,シーズと しての技術に関する研究は数多く見られるものの,言語教育分野の研究者がど のような技術を求めているか(ニーズ)と必ずしも合致している保証はない. そこで,本テーマセッションでは,言語教育を専門とする研究者が現在どのよ うな技術を必要とし,自らどのようなことを試みているか,言語処理を専門と する研究者がどのような技術を有しており,どのようなことを試みているか, に関する発表を集め,双方の研究者のニーズ,シーズのマッチングを行い,よ り有機的な連携を行うための議論の場を提供したい.

第21回(2セッション,8件)に続き,第22回年次大会の際には,2セッション, 合計10件の発表を集めることができた.言語教育系と言語処理系の共同研究も そのうちの5件を占め,学会,大会の活性化につながったと考えることができ るとともに,両分野の研究者が一同に集まり,議論,交流を行なう場となった ものと自負している.


[提案者]
投野由紀夫(東京外国語大学)
根岸雅史(東京外国語大学)
奥村学(東京工業大学)
篠崎隆宏(東京工業大学)
能登原祥之(同志社大学)
石井康毅(成城大学)
内田諭(九州大学)
ブレンダン・フラナガン(九州大学)
和泉絵美(同志社大学)

◯ テーマセッション2 「語義タグの付与とその利用」

[趣旨]
コーパスにある種の情報をタグとして付与したタグ付きコーパスが有用である ことは明らかであり,これまで様々なタグ付きコーパスが構築され,有効に利 用されている.ただし語義タグについては,それほど注目されてはいない.こ れは語義の定義が曖昧であり,しかも語義タグ付きコーパスの有用性に疑問が あるからである.しかし単語に語義を付与する処理は,意味解析の最もプリミ ティブな処理であり,意味解析を高度化するための最優先課題と考えられる. そのような問題意識から本テーマセッションを企画する.語義タグの付与とそ の利用についての問題点を議論し,そこでのアイディアを共有することを目的 とする.WSD,WSI,語義の分散表現,語義タグ付きコーパスを利用した NLPシ ステム,語彙意味論,(タグ付与のための)語義の定義方法,言語学的観点と工 学的観点からの語義の定義の相違などの研究を対象とする.


[提案者]
新納浩幸(茨城大学)
古宮嘉那子(茨城大学)
佐々木稔(茨城大学)
白井清昭(JAIST)
福本文代(山梨大学)
浅原正幸(国語研)

◯ テーマセッション3 「翻訳の質と効率: 実社会におけるニーズと工学的実 現可能性」

[趣旨]
本学会第22回年次大会において開催したテーマセッション「文理・産学を越え た翻訳関連研究」には,翻訳産業界,翻訳プロセス研究,翻訳教育などの研究 発表が集まり,文理・産学を越えた学際的な研究や協働の可能性が議論された. 今回のテーマセッションでも前回と同様に,自然言語処理の研究者だけでなく, 実務翻訳者,翻訳ツールの開発者,翻訳研究者などを集めて情報交換・共有を 行う.ただし,前回共有されたシーズとニーズを前提とし,実社会の様々なシー ンにおいて翻訳に求められる要件,質と効率を最大化するための翻訳フローデ ザイン・エコシステムなどのアイディアなどの共有を図る.上記の他にも,翻 訳教育や翻訳行為分析などにおける情報技術の利活用など,翻訳にかかわる様々 なトピックの発表を歓迎する.


[提案者]
藤田篤(情報通信研究機構)
山田優(関西大学)
影浦峡(東京大学)
武田珂代子(立教大学)
立見みどり(立教大学)


□第23回年次大会 特別ワークショップの開催案内

今回,以下の特別ワークショップが開催されることになりました.

◯ 特別ワークショップ 「言語処理の応用」

[趣旨]
従来の言語処理では,学術的な意味での新規性が重要点の1つとして評価されて きました.一方で,言語処理技術を実世界で役立つシステムとして実用化・商 用化するためには,斬新なアイデアだけでなく,それを実世界で実際に運用し, 検証するための多大な労力を要します.しかし,そのような作業は,「学術上 の新規性がない」ということで,あまり重視されてきませんでした.そこで, 言語処理学会編集委員会では,言語処理技術を元にして開発されたシステムに 関する論文を幅広く集める特集号を前回に引き続き企画しました.また,この 特集号を企画するのに合わせ,この特別ワークショップでは,実世界のビッグ データに対するテキストマイニングシステムの適用事例,言語処理技術を用い た教育支援システムの開発事例など,言語処理技術を用いた応用システムに関 する発表を広く募集します.


[提案者]
言語処理学会編集委員会
奥村学(東京工業大学)


□「自然言語処理」特集号「言語処理の応用システム」論文募集


テーマ:「言語処理の応用システム」

言語処理学会論文誌では,2016年に募集され盛況を収めた「実社会に役立つ言 語処理応用システム論文」を2017年にも募集いたします.今回第二弾となる本 特集号でも,技術的な新規性は重視せず,企業・大学等の言語処理応用システ ムに関する論文を,引き続き積極的に採録いたします.


趣旨:

言語処理学会論文誌では,学術的な意味での新規性を重要点の1つとして評価さ れてきた従来の査読のあり方を見直し,より広く言語処理技術の発展に寄与す ることを目的として,言語処理技術を元にして開発されたシステムに関する論 文を幅広く集める特集号の第二弾を企画しました.「言語処理技術を元にして 開発されたシステム」とは,企業で開発された(商用化された)システムはも ちろんのこと,大学・公立研究機関で開発されたシステムなども範疇に含まれ ます.エンドユーザに提供されるものならば,どのようなものでも構いません し,社内で用いられているような,一般に公開されていないものでも構いませ ん.


なお,特集号論文は,通常号論文と採録基準を別にして,以下の基準で査読を 実施いたします.

---
(1)新規性
必ずしも全く新たに研究開発した技術である必要はない.既存技術の組み合わ せや統合であっても,組み合わせの新しさ,システム全体での新しさ,設計コ ンセプトの新しさ,設計・開発されたシステムで得られた知見の新しさ,など を新規性の対象とする.

(2)有用性
構築されたシステムが,現実的問題へ対応できていることを可能な限り客観的 に示すことができていることが望ましいし,客観的評価を含むものに対しては 積極的に加点する.また,システムの性能を定量的に評価した結果を示さずと も,提案システムが実用面において十分有用であることは,実世界でどの程度 利用されているかといった観点でも定量的に評価することができる.さらに, 定量的な評価が,事情により示せない場合,その理由を明記した上で,しっか りとオーソライズされた定性的評価(たとえば,利用者によるアンケート結果 等)を示すことによっても,有用性は示せる.

(3)その他
理論上は問題にならないが,実用システムを開発する際には解決しなければな らない問題,およびその解決方法と評価(または考察)は,非常に有益な知見 であり,積極的に加点するべきである.
---

特に,企業で基礎技術を実用化まで進めた事例,大学・研究機関や産学連携で 言語処理技術を実世界の問題に適用しようとする応用研究事例などを幅広く募 集いたしますので,多くの皆様の投稿をお待ちしております.


特集号スケジュール

概要投稿締切 2017/05/08(月)
論文投稿締切 2017/05/22(月)
著者照会予定 2017/06/30(金)
著者回答締切 2017/08/07(月)
採録通知予定 2017/09/20(水)
論文掲載予定 2018年2月号(2/15)



投稿の方法ならびに形式

1. 原稿の準備・投稿

  原稿の体裁・書き方等については,学会誌「自然言語処理」の原稿執筆案
  内に従ってください.


2. 論文概要の投稿

  本特集号では,査読者手配のため,論文原稿投稿に先立ち,必ず概要(200
  字〜300字程度)を投稿して下さい.この時点で投稿する概要は,後日投稿
  する論文原稿の概要と同一である必要はありません.査読者を事前に手配
  し,論文投稿後速やかに査読を開始できるよう,結果や研究背景よりも査
  読に必要とされる知識・経験が詳しく分かる内容にして投稿してください.


  締切: 2017年5月8日(月) 23:59
  送付先: 特集号編集事務局 nlp-submit (at) anlp.jp
  電子メールのサブジェクト: 【特集号概要】
  必要事項: 著者名,表題,概要(200字〜300字程度),
  代表著者の氏名・所属・メールアドレス・電話番号


3. 論文原稿の投稿

  締切: 2017年5月22日(月) 23:59
  送付先: 特集号編集事務局 nlp-submit (at) anlp.jp
  電子メールのサブジェクト: 【特集号論文】
  必要事項: 著者名,表題,概要(200字〜300字程度),論文原稿(PDF),
  代表著者の氏名・所属・メールアドレス・電話番号


通常の論文と同じ送付先ですので,「特集号論文」と明記していないと,通常 論文として査読されます.ご注意ください.


編集委員会

本特集号では特集号編集委員会を独立に立てることはせず,会誌編集委員会が 編集委員会を兼ねます.


言語処理学会第23回年次大会 特別ワークショップについて

本特集号企画と連動して,2017年3月に開催される言語処理学会第23回年次大会 で,「言語処理の応用」をテーマとした特別ワークショップを実施いたします. 特別ワークショップでの発表は論文投稿の必須条件ではありませんが,論文投 稿を検討される場合は,ぜひ本ワークショップにお越しください.(発表申し 込みは2017年1月18日に締め切りました.)


※特別ワークショップに関するお問い合わせは,言語処理学会第23回年次大会 サイトより最新情報をご覧のうえ,担当者にご連絡ください.


問い合わせ先

言語処理学会「言語処理の応用システム」特集号事務局 nlp-submit (at) anlp.jp


□COLING2016の開催報告


2016年12月のCOLINGの大阪開催は無事終わりました.想定数の1.5倍の1,143人 が参加し,COLING史上最高の盛り上がりとなりました.


本会議への1,046本の投稿のうち337件が採択となりました.加えて,デモ論文 の展示が65件行われ,多様な内容を楽しんでいただけたと思います.


ベストペーパーはAsian Federation of Natural Language Processing (AFNLP) と連名で表彰しました.
公募を経て優秀な学生の参加を無料化し,学生ボランティアには担当時間以外 に好きなセッションに参加していただきました.また,COLINGの前日には「NLP 若手の会」主催のシンポジウムを併設できたこともあり,多数の学生に国際的 な研究コミュニティーを実体験いただけたと考えます.
次回はアメリカのサンタフェで2018年8月下旬に開催される予定です.言語処理 学会としても,次回のCOLINGの盛り上げに協力したいところです.
PS


写真が以下ホームページにありますので,お時間のある時にご覧ください.
http://coling2016.anlp.jp/



学会に関する問い合わせ先

中西印刷株式会社 言語処理学会事務局
〒602-8048 京都市上京区下立売通小川東入ル
e-mail nlp (at) nacos.com

ニュースレター担当理事
渡辺日出男 (日本IBM株式会社)
e-mail hiwat (at) jp.ibm.com