言語処理学会ニュースレター

Vol. 25 No. 3 (2018年10月19日発行)

目次

第25回年次大会(NLP2019)について
言語処理技術セミナー開催にあたって

□第25回年次大会(NLP2019)について

大会委員長・事業担当理事 中野幹生(HRI-JP)


次回の年次大会は2019年3月12日-15日に名古屋大学で開催します.準備は着々と進んでおり,先日,第25回の年次大会の開催案内を配布しました.テーマセッション提案,チュートリアルのテーマを募集しています.また,スポンサーの申し込み受付ももうすぐ始まります.詳しくは,大会ホームページ( http://www.anlp.jp/nlp2019/ )を御覧ください.


岡山で開催した前回の年次大会(NLP2018)には,過去最多の方にご参加頂きました.また,数多くの企業・団体にスポンサーになって頂き,大盛況となりました.参加者の皆様,スポンサーの皆様,および,このような大規模な大会の運営にご協力いただいた関係各位に深く感謝申し上げます.


年次大会の規模が大きくなるのは,自然言語処理技術への期待が高まっていることの表れなので,大変喜ばしいのですが,運営の負担も大きくなってきています.したがって,今後も意義ある大会を開催し続けるため,運営の方法を少しづつ変えていかざるを得ないと考えています.そのためには,何を重視すべきかを決める必要があります.


このような背景のもと,次回の年次大会では,以下のような大目標を立てました.


(1) 出会いの場を作る


誰でも簡単にプレプリントサーバで論文をpublishできる時代に,一か所に集まって大会を開く意義は何かと考えたとき,それは,様々な人とface-to-faceで話すことができることではないでしょうか?そこで新しい研究やビジネスのアイディアが浮かぶかもしれませんし,共同研究,共同開発,就職のきっかけになるかもしれません.


年次大会では企業とアカデミア,企業と学生,大企業とベンチャー企業,研究者同士など,様々な出会いが生まれるような施策を行いたいと考えています.その一環として,公式ツイッター(@NLP2019)を始めました.皆様から寄せられた情報を積極的に流すことで,出会いをサポートしたいと考えています.


(2) 自然言語処理の研究を網羅し,日本独自の研究を増やす


自然言語処理には様々な研究テーマがあります.言語の理論から統計的手法まで,テキスト処理から音声・マルチモーダル処理まで,大量の言語データの処理からインタラクティブシステムまで,基礎研究から産業応用まで,様々な研究を年次大会で発表してもらうことで,オリジナリティの高い研究テーマが生まれるきっかけになると考えています.この目的のため,積極的な広報活動を行って行きます.


(3) 効率的な運営を行う


各委員の負担を減らすため,準備・運営をなるべく効率的に進めます.そのひとつとして,開催期間を短くすることにしました.NLP2018は,ワークショップも含めてまる5日間の開催でしたが,ワークショップをテーマセッションに統合することで,4日間の開催にしました.NLP2018のワークショップは,2つとも非常に有意義で大盛況だっただけに今回の決定は苦渋の選択でしたが,何卒ご理解いただけますよう,お願いいたします.


その他,プロジェクト管理ツールRedmineの試験的導入など,運営の効率化のための様々な施策を検討しています.今後ますます発展するであろう年次大会の運営をどのような体制で行っていくかについても引き続き検討します.


以上の3つの目標に従って準備を進めていますが,年次大会について何かアイディアやご意見があれば,お気軽に大会委員会( nlp2019-inquiry@anlp.jp ) までお寄せください.皆様と一緒に素晴らしい年次大会を開催したいと思っています.何卒よろしくお願い申し上げます.



□言語処理技術セミナー開催にあたって

言語処理技術セミナー実行委員長・事業担当理事 中野幹生(HRI-JP)


近年,産業界から自然言語処理技術に大きな期待が寄せられています.世の中には自然言語で書かれたデータが非常に多く存在する上,人間と機械のインタフェースにも自然言語を用いることができます.自然言語処理技術は,新たな製品やサービスを生み出したり,業務の効率化を行ったりすることにつながり,ビジネスに大きく貢献すると考えられますが,まだ幅広く活用されているとは言えないのが現状です.


この一因として,自然言語処理技術がどのようなもので,どのような利用方法が考えられるかや,最先端の研究と実際の応用とのギャップなどについて,産業界の方にあまり知られていないことが考えられます.


そこで,言語処理学会では,産業界の方に自然言語処理の現状を知って頂くためのイベントの開催を検討してきましたが,来る11月19日に,コングレスクエア日本橋(東京)において,第一線で活躍されている3人の講師をお迎えして,言語処理技術セミナー( https://sites.google.com/site/nlpseminarweb)を開催することとしました.新しく自然言語処理技術に興味を持たれたり,新たに導入を検討されていたりする産業界の方々を対象にして,自然言語処理技術の概要とその応用に関してわかりやすく解説していただきます.


お陰様で定員(100人)に達しましたので,参加申し込みを締め切らせていただきました.言語処理学会では,今後とも産業界の皆様に向けた施策を考えて行きますので,ご期待ください.



学会に関する問い合わせ先

中西印刷株式会社 言語処理学会事務局
〒602-8048 京都市上京区下立売通小川東入ル
e-mail nlp (at) nacos.com

ニュースレター担当理事
山本 和英 (長岡技術科学大学)
e-mail yamamoto (at) jnlp.org