言語処理学会ニュースレター

Vol. 29 No. 1 (2022年2月22日発行)

目次

言語処理学会第28回年次大会(NLP2022)開催案内
NLP2022プログラム編成にあたって

□ 言語処理学会第28回年次大会(NLP2022)開催案内

大会担当理事・大会委員長 堂坂浩二(秋田県立大学)


言語処理学会第28回年次大会は,2022年3月14日から18日の期間,5日間の日程で開催します.今回の大会は,大会運営関係者と一部のチュートリアル・招待講演登壇者以外のすべての参加者はオンラインで参加する形態での開催となります.すべてのプログラムにオンラインで参加し、発表・聴講・議論することができます.事前登録の際に現地参加を希望された方もオンラインでのご参加をお願いいたします.


大会プログラムをすでに公開しています.大会Webサイト https://www.anlp.jp/nlp2022/ をご覧ください.発表件数は386件となり,前回を上回る件数となりました.事前参加登録数も,このニュースレターの執筆時点で,前回に迫る参加登録数となっています.多くのご発表・ご参加のお申込みをいただき,大変ありがたく存じます.


前回に引き続き,今回の大会でも大会5日目にワークショップを開催します.魅力的なテーマの2つのワークショップが開かれます.奮ってご参加いただき,深い議論を盛り上げていただきたいと思います.


今回の大会では,前回を上回る数の企業・団体の方々にスポンサーになっていただきました.いつも学会の活動にご支援を賜り,関係者一同,厚く御礼申し上げます.


静岡大学,浜松・浜名湖ツーリズムビューローの皆さまには,大会企画の初期の段階から,円滑な大会運営を支えていただいています.大会委員会として心より感謝申し上げます.


今回の大会では,当初より,オンラインという開催形態を積極的に捉え,オンラインであっても活発な発表と議論,参加者・スポンサー団体の交流を促進することを理念として大会を準備してきました.この理念のもと,実行委員,プログラム委員,大会委員など多くの関係者の方々が、多大な熱意と献身によって大会の準備に取り組んでくださっているところです.


発表と交流の活性化の工夫として,ポスター発表セッション・スポンサー展示ブース・懇親会のインフラとしてオンライン交流ツール「Gather.Town」を活用します.このことによりオンライン会場内での参加者・スポンサー団体の交流を活性化できると考えています.さらに,ポスター発表セッションでは,各発表30秒のライトニングトーク(録画)の放映を行い,どんな発表があるのかを見やすくし,ポスター発表の活性化を狙っています.ぜひ多くの方にポスター発表セッションにご参加いただき,活発に議論していただきたいと思います.


コロナ禍のため,オンラインで大会に参加いただく開催形態となりますが,開催形態にかかわらず,参加者の皆さまには一つの大会に参加している感覚を共有していただくことが大切と考えています.そこで「一体感」と「現地感」を高めるための一助として,静岡の名産品の茶菓を配送することを企画しました.開催期間中も静岡の名産品や情報を積極的にお届けしようと準備しています.参加者の皆さまの交流を生み出すきっかけになれば幸いです.


新型コロナウイルス感染症の状況が変化していくなか,大会ウェブページ,Twitter等を活用してタイムリーな情報発信に努めてまいりました.大会開催まで最新の情報を発信していきますので,ご注目いただきたいと思います.


最後になりましたが,今回の大会を通して,多くの有意義で活発な議論と交流が生まれ,今後の言語処理ならびに関連分野の発展につながることを願っています.ぜひ多くの皆さまにご参加いただけますよう,よろしくお願い申し上げます.



□ NLP2022プログラム編成にあたって

プログラム委員長 河原大輔(早稲田大学)


年次大会がいよいよ来月に迫ってまいりました。今大会は386件の発表があります。前大会より25件多く、過去最多であったNLP2019の398件に近い発表件数となりました。近年のAIブームの中、引き続き、自然言語処理の研究分野が活発であると感じています。一般発表に加えて、2件の招待講演、4件のチュートリアル、4件のテーマセッション、2件のワークショップを行います。大変魅力的な大会に仕上がっていますので、多くの皆様の参加と活発な議論をお願いいたします。


今大会では、参加者の皆様にとって「わかる年次大会」を目指してプログラム編成に取り組みました。以下では今大会の特徴をご紹介いたします。


(1) ポスター発表


ポスター発表は、コロナ禍の現在、現地会場で行うことは難しく、オンラインで、いかにして活性化するかということを当初から検討してきました。まず、Gather.Townを用いることによって、オンライン会場全体を見える化するとともに、発表者・参加者間の議論、交流を活性化することを狙います。また、ポスター発表者には、ポスターファイルの事前提出に加えて、30秒のライトニングトーク動画の事前提出をお願いしています。これによって、参加者が興味のある発表を見つけやすくし、ポスターセッションへの参加を促すことにつながると考えています。ポスター発表者の方々にはお手数をおかけし申し訳ありませんが、ご協力をよろしくお願いいたします。


ポスターセッションは、冒頭の20分でライトニングトーク動画を放映し、その後の80分でポスター発表を行います。


(2) 口頭発表


ポスター発表者にライトニングトーク動画の事前提出をお願いしたことも影響したと思いますが、口頭発表の希望が例年より増えました。多くの口頭発表希望を可能なかぎり受け入れるため、7つのセッションを並列に実施することにしました。口頭発表の並列数が7になるのは、NLP2020に続き2回目です。口頭発表のプログラムは、テーマセッションを含む合計56セッションからなり、バラエティに富んだものになっています。しかし、並列数を上げることは、聞きたい発表を聞けない可能性が高くなりますので、望ましい状況ではありません。この点は次大会に向けての課題とさせていただきます。


口頭発表セッションの各発表は15分の発表、5分の質疑応答です。5分の質疑応答時間は短いですので、その後はSlackの該当チャンネルに移動いただき、議論を継続していただければ幸いです。


(3) 表彰・論文原稿


今大会では、発表論文を選考し、優秀賞・若手奨励賞、委員特別賞、言語資源賞(言語資源協会との共同事業)、スポンサー賞(スポンサー5団体による選考)を授与します。優秀賞・若手奨励賞と委員特別賞は、多くの審査員による審査結果に基づいて選考します。賞選考では、発表申込締切から年次大会開催までの短期間に400件近い論文を審査する必要があり、審査員の負担が大きいことが問題です。この問題にすこしでも対処するため、前大会から論文原稿にスタイルファイルを導入し、賞選考のために満たす必要のあるフォーマットを規程しています。また、今大会では論文原稿に概要を入れることにしました。これによって、審査員に加え、一般読者の論文理解を促進することができると考えています。投稿いただいた論文を確認したところ、ほぼすべてに概要が付いていました。論文投稿された皆様のご協力に感謝いたします。


現在、200名以上の審査員にご協力いただき、賞選考を進めています。選考過程・結果はクロージングで発表するとともに、迅速に大会ウェブサイトに掲載します。


このように、プログラム委員会では「わかる年次大会」を目指して準備してきました。皆様にとって実りのある大会になれば幸甚です。ご参加を心よりお待ちしています。


第28回年次大会webサイト

https://www.anlp.jp/nlp2022/

Twitter (@nlp2022)

https://twitter.com/nlp2022

学会に関する問い合わせ先

中西印刷株式会社内 言語処理学会事務局
 〒602-8048 京都市上京区下立売通小川東入ル
 e-mail: nlp@nacos.com

ニュースレター担当
 大熊智子 (理事・富士ゼロックス)
 e-mail: ohkuma.tomoko@fujixerox.co.jp