言語処理学会ニュースレター

Vol. 30 No. 1 (2023年2月27日発行)

目次

言語処理学会第29回年次大会(NLP2023)開催案内
NLP2023プログラム編成にあたって

□言語処理学会第29回年次大会(NLP2023)開催案内

大会担当理事・大会委員長 松田 寛(株式会社リクルート Megagon Labs)


3月13日-17日に沖縄コンベンションセンターを現地会場とするハイブリッド形式で開催されるNLP2023の開幕まで2週間となりました。 コロナ禍の3年間のオンライン開催期間を経て、今大会は言語処理学会として初の本格的なハイブリッド形式での開催となり、プログラム委員会・実行委員会が総力を挙げて、議論とコミュニケーションの活性化の試みに挑んでいます。
論文投稿件数は前回大会から5割の大幅増、事前参加登録数は3割増の約1500名、うち現地参加希望は1000名に達しています。(3月1日に開始される直前登録、および、当日登録で参加者はさらに増加します。) この背景として、多くの若手の方々にとって初めて現地で年次大会に参加する機会となったこと、また、沖縄開催が論文投稿・現地参加の強い動機づけとなったと考えています。
大会Webサイトではプログラムとともに、大会参加マニュアル・現地参加者向けサイトも公開されておりますので、ぜひご一読ください。
また現地会場での託児サポートを行っております。申し込み締め切りは3月1日(水)となっております。
今大会では、過去最多のスポンサーのご協賛を頂いております。スポンサー企業・団体の皆様に大会委員会一同より厚く御礼申し上げます。
沖縄観光コンベンションビューロー、ならびに、沖縄コンベンションセンターの皆さまには、大会企画の初期の段階から円滑な大会運営を支えていただいおりますこと、感謝申し上げます。
ハイブリッド開催の準備には、当初の想定を遥かに超える手間と時間を要しましたが、プログラム委員、実行委員、渉外担当、大会秘書、さらに業務委託を含めた関係者の皆様の献身的なご助力により、ボリューム・内容ともに充実した大会プログラムに仕上がりました。
今大会のスローガン「みんながみんなにアテンション〜現地でもオンラインでも全員が主役!」はプログラム副委員長の発案を大会委員会でコンセプト化しました。
コロナ禍の困難を乗り越え、すべての人にフォーカスが当たり、人・研究が共鳴し合える、新しい時代の年次大会を目指したいという思いが込められています。
長めの昼休憩や交流イベントの場をご活用いただき、ぜひ参加者の皆さまの間に言語処理の議論の花を咲かせてください。

NLP2023に関するリアルタイムな情報発信は公式Twitterアカウント(@anlpmeeting)で引き続き行って参ります。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

□NLP2023プログラム編成にあたって

プログラム委員長 東中竜一郎(名古屋大学)


年次大会がいよいよ来月に迫ってまいりました。今大会では579件の発表があります。過去最多だったNLP2019の398件を大幅に超えた発表件数となりました。大規模言語モデルを用いたアプリケーションが世の中に広く使われるようになるなど、自然言語処理技術が身近になり、今まで以上に活発に研究されるようになってきたと感じています。今大会では一般発表に加えて、2件の招待講演、4件のチュートリアル、3件のテーマセッション、2件のワークショップを実施します。
今大会のハイブリッド開催においては、全員の顔が見えない、全員と会えないといった困難を乗り越えて、すべての人にフォーカスが当たり、人・研究が共鳴し合えることを目指しております。この目的もあり、すべての発表資料は参加者限定Slackワークスペースで共有されます。座長も積極的に議論の活性化を行います。オンラインでもオフラインでも皆様の参加と活発な議論をお願いいたします。
今大会も大変魅力的なプログラムを作ることができました。以下に今大会の特徴をご紹介いたします。
(1) 口頭発表
口頭発表のプログラムは、テーマセッションを含む合計60セッションからなっており、5つのセッションを並列に実施します。1セッションは5つの発表からなります。大きなニュースとして、今回投稿数が予想を大幅に超えたため、口頭発表については一発表あたりの時間を 20 分から 18 分に短縮することになりました。講演時間が 15 分、質疑応答・討論の時間が 3 分です。質疑が短くなってしまいましたが、現地での休憩時間やSlackにて議論を継続いただければと考えております。なお、発表者は、現地もしくはリモートからZoomに繋いで発表いただきます。
(2) ポスター発表
ポスター発表のプログラムは、合計22セッションからなっており、口頭発表と同じ時間帯に、2つのセッションを並列に実施します。ポスター発表は、現地が中心です。ポスター発表はインタラクティブなやり取りが重要な発表に最適な形態で、コロナ禍以降、今大会でようやく実施できました。また、オンラインでもポスター発表ができるようにする施策として、オンラインポスターの発表形態を設けました。ポスターセッション会場にオンラインポスター発表中継用 PC を設置し、現地参加者およびオンライン参加者による聴講や質疑が行うことができます。また、口頭発表と同様、分野別に分類し、当該領域に詳しい座長を付けるなど、会期前後のSlackでの議論を含めて今まで以上に議論が活性化するように工夫しています。
(3) 表彰
今大会においても、発表論文を選考し、優秀賞・若手奨励賞、委員特別賞、言語資源賞(言語資源協会との共同事業)、スポンサー賞(スポンサー団体による選考)を授与します。優秀賞・若手奨励賞と委員特別賞は、審査員による審査結果に基づいて選考します。今大会では、審査員の総数は例年通りにもかかわらず、579件もの投稿があったため、審査員の皆様には多大なご負担をおかけすることになりました。来年度に向けて負担軽減に努めてまいります。現在、250名近くの審査員にご協力いただき、賞選考を進めています。選考過程・結果はクロージングで発表するとともに、迅速に大会ウェブサイトに掲載します。
このとおり、プログラム委員会では「みんながみんなにアテンション」となるような大会を目指して準備してきました。皆様にとって実りのある大会になれば幸いです。皆様のご参加を心よりお待ちしています。

学会に関する問い合わせ先

中西印刷株式会社内 言語処理学会事務局
 〒602-8048 京都市上京区下立売通小川東入ル
 e-mail: nlp@nacos.com

ニュースレター担当
 大熊智子 (理事・旭化成)
 e-mail: okuma.td@om.asahi-kasei.co.jp