「自然言語処理」特集号 論文募集
テーマ:「災害情報と言語処理」
特集の趣旨
東日本大震災直後に見られたように,大規模災害時には大量の情報が通常とは異なる様相で流通します.例えば,情報発信の訓練を受けていない個人・組織が重要な情報(時には生死を左右するもの)を発信し,それらが他の誤った情報と区別しがたい形で流通することがあります.また,伝達における正確性と迅速性のトレードオフについて,情報仲介者が通常とは異なる判断をすることもあります.さらに通常であれば見逃すあるいは無視されるような情報にたいして受信者が行動を起こしたり,逆に見逃されて行動が起きない場合があります.
このような状況において,情報を漏れなく正確かつ迅速に処理・伝達するためには,自然言語処理技術による支援がかかせません.また,単に実用における重要性だけでなく,通常であれば使用されないような言語表現(例:「拡散希望」)が広く使用されたり,何が書かれているかだけではなくその記述が正しいかどうかの判断支援も求められるなど,非常時であればこそ顕在化する学問的・技術的課題も多く存在します.
2012年の第18回年次大会ではテーマセッション「災害時における言語情報処理」に11件の発表があり,活発な議論が行われました.このような「動」の活動と並行して,それまでの研究を振り返り精査し,次の研究へと繋がるように結果をまとめ伝えていくこともまた重要となります.本特集号では,広く災害情報における言語処理に関する論文を募集いたします.
なお,災害情報という対象の性質上,定量的な検証や状況の再現が困難であることも想定されます.本特集号においてはその点を十分考慮し,有効性の検証だけにこだわることなく,将来の災害対策へとつながる知見・可能性を重視し,採録を判断いたします.
対象領域
- 災害情報に特有あるいは顕著にあらわれる言語処理にたいする課題の分析
- 上記課題にたいする解決方法の提案・実証
- 災害情報における言語処理課題へ既存手法を適用した場合の問題点の分析
- 災害情報をあつかう新規言語処理技術の提案・有効性検証
- その他災害情報と言語処理の接点において,今後の災害対策について知見を与える研究
投稿資格
本特集号の趣旨に関心をもつ方ならばどなたでも投稿することができます.論文は通常の論文と同様の査読過程を経た上で掲載の是非が決定されます.なお本特集号では査読者手配のため,論文投稿の前に概要投稿をしていただく必要があります.詳しくは下記のスケジュールを御覧ください.
投稿の方法ならびに形式
- 概要の投稿 (必須)
本特集号への論文投稿者は 2012/11/16 23:59 までに下記の情報を,「【特集号概要】」で始まるタイトルの電子メールで特集号編集事務局 nlp-submit-sg (at) anlp.jp にお送りください.- 著者名
- 表題
- 概要
- 代表著者の氏名・所属・メールアドレス・電話番号
- 原稿の準備・投稿
原稿の体裁・書き方等については,学会誌「自然言語処理」の原稿執筆案内に従ってください.
出来上がった論文は 2012/12/14 23:59 までに,「【特集号論文】」ではじまるタイトルの電子メールに添付し,特集号編集事務局 nlp-submit-sg (at) anlp.jp へお送りください.なお受領日により著者照会の時期が1ヶ月近く変わります.(下記スケジュール参照)ご注意ください.
スケジュール
後述する理由により一般の論文投稿とは異なるプロセスとなっています.ご注意ください.概要投稿締切 | 2012/11/16 | |
論文投稿締切 | 2012/12/14 | |
著者照会予定 | 2012/12/26 (2012/11/28までに受領した論文) | |
2013/1/25 (それ以降に受領した論文) | ||
著者回答締切 | 2013/2/28 | |
採録通知予定 | 2013/3/29 | |
論文掲載予定 | 2013年6月号 |
- 論文を投稿する方は 2012/11/16 23:59 までに,タイトル・概要(400文字以内)を特集号編集委員会へ送付する.これらは査読者を手配するために用います.概要は結果や研究背景よりも査読に必要とされる知識・経験が詳しく分かる内容にして下さい.
- 論文は 2012/12/14 23:59 までに投稿する.ただし,11/28 23:59 までに投稿された論文については優先して査読をおこない 12/26 までに回答・照会をします.その他の論文については 1/25 までに回答・照会をおこないます.
特集号編集委員(50音順)
乾健太郎(東北大学)
岡崎直観(東北大学)
賀沢秀人(グーグル株式会社)
グラム・ニュービッグ(NAIST)
鳥澤健太郎(NICT)
鳥海不二夫(東京大学)
萩原正人(楽天技術研究所)
橋本泰一(グリー株式会社)
平尾努(NTT)
藤田篤(はこだて未来大学)
桝井文人(北見工業大学)
宮部真衣(東京大学)
村上浩司(楽天技術研究所)