論文査読倫理綱領

  1. 論文査読の公平性,迅速性,レベルは学会の評価に直接つながるものであるから,以下のことを常に念頭におき,論文の査読,判定をしなければならない.

  2. 論文の主張する内容が査読者の立場考え方と相入れない場合でも,その前提,データ等から妥当に帰結できるものであると認められる場合は,それを是認すること.

  3. 査読者自身が自分が全知でないことをよく自覚し,「疑わしきは罰せず」の立場で論文をよむこと.

  4. 論文に対してコメントするときは,その論文がコメントによって良くなり,著者がより良い研究者となって行ってくれることを念じて行うという態度を忘れないようにすること.

  5. 数学的,論理的な内容のものだけが科学的あるいは学問的な論文とは限らない.数学的,論理的記述によって表面的にはしっかりした論文のように見えても内容のほとんどない論文もある.要は,どのような新しい内容を持っているかで判断すべきだろう.既知の方法論を使った場合でも新しいデータやソフトウエア,システムを作ったという場合もあり,それが価値あるものであれば認めるべきであろう.

  6. 論文の査読は迅速に行うのが査読者の責任であると認識すべきである.一日も早く博士号を取得し一人前の研究者の仲間入りをしたいと思って日夜研究を行い論文を投稿してくる人も多いのである.この学会の設立は自然言語処理の研究者人口をふやし,この分野を大きく育ててゆくことに一つの目的があるのだということを忘れずに,迅速に公正に査読することがその目的のために貢献していることになると認識して,査読作業を行うことが必要だろう.