言語処理学会ニュースレター

Vol. 8 No. 5 (2001年12月28日発行)


目次

言語処理学会第8回年次大会(NLP2002)開催案内

大会併設ワークショップ「社会情報基盤のための言語・メディア処理」発表募集

年次大会の宿泊予約について

第9回 機械翻訳の理論的方法論的課題に関する国際会議(TMI-2002)開催案内

AFNLP(アジア言語処理学会連合)の会議報告

会議報告:「第6回 環太平洋自然言語処理シンポジウム(NLPRS2001)」

ACL2003:日本(札幌)開催のお知らせ


言語処理学会第8回年次大会(NLP2002)開催案内

開催日時: 2002年 3月16日(土) ワークショップ
3月17日(日) チュートリアル
3月18日(月)〜20日(水) 本会議
会場: けいはんなプラザ(京都府相楽郡精華町光台1-7)
懇親会: 3月19日(火)夕刻(場所,時刻未定)

例年3月に開催している言語処理学会年次大会を今年度は,「関西文化学術研究都市(けいはんな)」の「けいはんなプラザ」で開催します. 例年通り,自然言語に関する理論から応用まで幅広い研究発表を募集します. とくに,言語学,音声学,国語学,日本語学,日本語教育学,心理学など,日頃「言語処理」とは関連が薄いと考えておられる人文系の研究者からの積極的な投稿を期待しています.

従来通り,研究発表は口頭による一般発表(質疑あわせて20分間)とポスター発表のいずれかの形態を取ります. 特に,人文系と理工系の研究者の交流をより密に図るため,ポスター発表を積極的に募集します. さまざまな分野の研究者とのインフォーマルな議論を期待される方は,是非ポスター発表への投稿をお願いします. 一般発表とポスター発表は時間帯を分け,両者が重ならないよう考慮する予定です. ポスター発表ではパソコン持ち込みなどによるデモ等も歓迎します. 両発表とも,予稿集には最大4頁の論文を掲載する予定です.

また,以下のチュートリアルと招待講演を予定しています.

《チュートリアル》
3月17日(日)
10:00-12:00 「言語表現の言い換え技術」
九州工業大学 助教授 乾健太郎氏
13:00-15:00 「自動作詞システムから生まれる計量言語学の新分野」
国立国語研究所    伊藤雅光氏
15:15-17:15 「認知脳科学からみた言語」
東京大学   助教授  酒井邦嘉氏

3月16日から機械翻訳に関する国際会議TMI-2002が同じ建物で開催されます. 今回,言語処理学会年次大会とTMIでは,いずれか一方のチュートリアルに参加を申し込まれた方は,残りの一方のチュートリアルの参加を無料とし,資料代は1000円とさせていただきます. ふるって,お申し込み下さい.

《招待講演》
3月18日(月)
13:00-14:30 Deirdre Wilson氏 (University College, London)
テーマ「(検討中)関連性理論関係」
14:45-16:15 Jerry Hobbs氏 (SRI)
テーマ「(検討中)文脈理解関係」
<注>正式テーマ名は,現在,検討中です.

今回の大会では,招待講演のみの聴講(参加費2000円)も受付させていただきます. 語用論など,言語学にご興味をお持ちの方,お見逃しなきよう,ご参加をお待ちしています.

《パネル討論》
3月19日(火) 13:00-15:00
テーマ:「自然言語処理における産官学の連携」
司会者:  浦谷 則好 (NHK技研 主任研究員)
パネラー: 平川 秀樹氏(株式会社東芝 主任研究員)
古賀 勝夫氏(ノヴァ株式会社 社長)
井佐原 均(通信総合研究所 自然言語グループリーダー)
橋田 浩一氏(産業技術総合研究所 サイバーアシスト研究センター副研究センター長)
島津 明氏(北陸先端科学技術大学院大学 教授)
奥村 学氏 (東京工業大学 助教授)

《併設ワークショップ》
3月16日(土)
テーマ:「社会情報基盤のための言語・メディア処理」
主催者:橋田浩一氏(産総研),柴田正啓氏(NHK技研),長尾確氏(名古屋大学)

《大会発表申し込み締切・通知・論文提出期限》

発表申し込み締切: 2002年1月 7日(月)
採否の通知: 2002年1月15日(火)
最終論文の提出期限: 2002年2月12日(火)
事前登録締切: 2002年2月12日(火)
事前登録に伴う振込締切: 2002年2月28日(木)

2月12日(火)以降は事前登録を受け付けません. また,割引価格が適用されるのは,事前申し込みをして,かつ2月28日(木)までに振込んだ方に限ります. 期限までに登録および振込みが終了しない方は,参加申し込み,支払い共に会場にて,お願い致します.

《大会発表申し込み先》

発表申し込みは,発表題目,著者,概要を発表申込書を用いて郵便,Fax,電子メールのいずれかでお送り下さい.できるだけ,電子メールでの申し込みをお願いします. (申込先の電子メールアドレスが変更されました.ご注意下さい.

Email: submit-nlp2002@water.ike.tottori-u.ac.jp
Fax: 0857-31-6787
郵送先: 〒680-8552鳥取市湖山町南4-101
鳥取大学 工学部 知能情報工学科  池原 悟

《大会参加申し込み≫

大会の参加申し込みは,事前登録申込書(チュートリアル,大会,ワークショップ兼用)を利用して,以下にお送り下さい.

送付先: 〒560-0082
豊中市新千里東町1-4-2 千里LCビル14F
学会センター関西内 言語処理学会年次大会係
Fax: 06-6873-2300
Email: o-socie@bcasj.or.jp

<→応募規定
<→参加費
<→講演発表・ポスター発表申込書
<→事前登録申込書
<→プログラム委員および実行委員

(プログラム委員長 池原悟)


大会併設ワークショップ「社会情報基盤のための言語・メディア処理」 発表募集

現在の自然言語処理技術で人間の言語活動を代替することは不可能です. 今世紀における自然言語処理技術の使命は,人間社会の中での情報の流通を支援する社会基盤を構築することでしょう. たとえば,MPEG-7,GDA,Semantic Web等は,さまざまな情報コンテンツの意味構造を明示化し,そうした情報コンテンツを広くかつ効果的に共有・再利用する社会情報基盤を指向する試みと考えられます. こうした技術の射程は,テキストコンテンツにとどまらずマルチメディアコンテンツを含み,さらにセンサネットワーク等の情報基盤と組み合わさることによって物理的な生活空間にも及ぶでしょう.

本ワークショップでは,来たるべき社会情報基盤と,言語・メディア処理技術がそこで果たすべき役割について意見を交換し,このような展望を具体的に描き出したいと思います. つきましては,たとえば以下のようなテーマに関する発表を募集いたします.

  • コンテンツを意味構造化する方法とツール
  • 意味構造化されたコンテンツの利用
  • マルチメディアコンテンツと言語コンテンツの融合
  • 物理世界のセンシングとメディア技術の統合
  • 空間的・地理的コンテンツと自然言語処理
  • コミュニティ支援のための知識共有
  • 技術移転と知識共有を促進するコンテンツ技術
  • 社会的合意形成を支援するコンテンツ技術

発表の申し込みは以下の要領でお願いします.

  • 申し込み先: nlpws@m.aist.go.jp
  • 申し込みの際に送付する情報:
    • 発表者の氏名,所属,住所,電話番号,ファクス番号,電子メイルアドレス
    • 日本語7000字程度または英語1000語程度のアブストラクト
      (図表を含まないアブストラクトはなるべくプレインテキストで)
    • 申し込み締切: 2002年2月8日(金)

実行委員会:
橋田浩一 (産総研)
柴田正啓 (NHK技研)
長尾確 (名古屋大学)
(橋田浩一)


年次大会の宿泊予約について

今回の大会が開催される、けいはんな地区にはホテルが少ないので、併催されるTMI一2002と共に、会場に隣接する「けいはんなプラザホテル」の予約を仲介いたします。会議参加者として予約しますと特別料金になります。

シングルは7000円、ツインは10、000円(税サ別)です。

けいはんなプラザホテルの予約を希望される方は、下記のページをご覧下さい。予約申込みの期限は1月末ですが、先着順で受け付けますので、それまでに満室になる可能性があります。早めのお申込みをお勧めします。

http://www.kecl.ntt.co.jp/events/tmi/hotel-j.html

なお、このページは、ホテルに適切な情報を伝えるために開設したものであり、予約手配に関する一切は、ホテルと申込者との間の関係となります。学会として責任を持つものではありません。予約の確認、キャンセル等は申込者の責任で行なってください。

また、けいはんなプラザホテルを利用されない方のために、大会の始まる時間帯には近鉄新祝園駅からのシャトルバスを出す予定です。

(実行委員長 井佐原均)


第9回 機械翻訳の理論的方法論的課題に関する国際会議(TMI-2002)開催案内

開催日時: 2002年3月13日〜2002年3月15日 本会議
2002年3月16日〜2002年3月17日 ワークショップ/チュートリアル
開催会場: 本会議 NTT京阪奈ビル
ワークショップ/チュートリアル けいはんなプラザ
URL: http://www.kecl.ntt.co.jp/events/tmi/

TMIは機械翻訳に関する代表的な学術的国際会議です. 機械翻訳に関連する学術研究の発表や,著名な研究者による招待講演等を予定しています. ワークショッ プ/チュートリアルは言語処理学会の年次大会と同日,同会場で開催されます.

問い合わせ先
〒 619-0237 京都府相楽郡精華町光台 2-4
NTT コミュニケーション科学基礎研究所
Francis Bond
TEL 0774-93-5313, FAX 0774-93-5345
email: bond@cslab.kecl.ntt.co.jp


AFNLP(アジア言語処理学会連合)の会議報告

報告者:辻井 潤一(東大・情報理工)

すでに報告したように,ACL2000(香港)の開催にあわせてアジアの研究者が集まり,(1)アジア域内での研究交流の活発化,(2)域外への活動へのアジアとしての参加と系統的な情報発信,(3)アジア域内での研究集会の協調・調整,を目的に学会連合を作ることが合意されました.

その後,日本の言語処理学会,韓国の言語処理SIG(日本の情報処理学会NL研究会に相当),台湾のSCLCPなどの学会が正式に参加を表明し,学会のない地域(インドネシア,フィリピン,インド,タイ,マレーシア,香港,シンガポール,オーストラリア,ベトナム)からも研究組織が仮の代表として参加,中国からは何人かの研究者がAFNLPの活動に興味を示し参加しています.また,アジア域内を拠点とする国際学会(NLPRS, PACLING, PACLIC, ROCLING,IRAL,ICCPOL)も準会員としての参加を表明,あるいは,参加に肯定的です.

このような状況から,NLPRS2001の会期中に会議を持ち,AFNLPの組織としての規約,体制の整備に関する議論を行いました.会議では,報告者(辻井)が用意した規約・体制の草案を議論し,4つのタスクグループ(TG)が詳細な検討を行うことになりました.4つのTGとそのまとめ役は,以下のとおりです.

  • TG1:組織規約と体制に関する案のまとめ(Tsou教授,香港)
  • TG2:情報交換と情報発信のための体制の整備(Choi教授,韓国)
  • TG3:アジア域内の国際会議,研究集会の調整案の準備(Su博士,台湾)
  • TG4:アジア域内の言語資源共有に関する体制整備と活動(田中教授,日本)

NLPRSの参加者の構成から,まとめ役が東アジアに偏っていますが,TGのメンバーにはそれ以外の地域からの参加者も多く入っています.現在,TGメンバーを募集中であり,この活動に興味のある方は積極的にTGに参加してくだされば幸いです.興味がある方は,私(tsujii@is.s.u-tokyo.ac.jp)に連絡いただければ,背景や活動の内容をお話したいと思います.

各TGは,Coling2002(台湾)までにその作業を完了し,次回の会議では,それをもとに正式の委員会を発足させる予定です.

AFNLPの活動は,KAIST(韓国)に置かれたWebSiteにNLPRS,PACLINGなど,アジアの諸会議での会議録をアーカイブすることが決定されるなど,徐々に活発化しています.日本の研究活動にも影響のあることですので,会員の皆様のご意見を極力反映していきたいと思っています.また,多くの会員がこの活動に積極的参加されるよう,お願いします.


会議報告:
第6回 環太平洋自然言語処理シンポジウム
6th Natural Language Processing Pacific Rim Symposium (NLPRS2001)

言語処理学会が共催した表記国際会議が,11月27日から同29日にかけて学術総合センターにて開催されました. 4件の招待講演(Julia Hirschberg博士,Benjamin Tsuo 教授,古井貞煕教授,Sanda Harabagiu教授),パネル討論,論文発表,ポスター発表,デモ展示などが行われ,好評のうちに会議を終えることができました. 参加者は260名程度を数え,盛況でした.また,引き続いて11月30日に同会場にて行われた4つのワークショップにもそれぞれ30名から50名の参加者があり,熱心な討論が行われました.

最後になりますが,辻井潤一組織委員長,プログラム委員会(委員長 Keh-Yih Su博士,副委員長 松本裕治教授,Tian-Shun Yao 教授),および実行委員会のメンバーの方の多大な努力,言語処理学会からは多数の会員に参加していただいたことにより会議が成功したことを記し,関係各位への感謝の言葉といたします.

(NLPRS2001 実行委員長 中川裕志)


ACL2003:日本(札幌)開催のお知らせ

The Association for Computational Linguisticsの主催する国際会議であるAnnual Meeting of the Association for Computational Linguistics(ACL)はこれまでヨーロッパと北アメリカの両大陸でのみ開催されてきましたが,2000年よりアジア,アメリカ,ヨーロッパの各地域で順に開催されることとなり,2000年にアジア地域の開催枠として香港でACL2000が開催されました. このような状況から次回の2003年のアジア地域での開催を日本でという機運が持ち上がり,2001年3月下旬にACL2003のための国内委員会を立ち上げ,日本開催の場合の開催地を札幌に絞り立候補を行ないました. 札幌を開催地としたのは開催時期が例年6月あるいは7月ということで日本の中では気候的に北海道が最適ではないかという判断によるものです. 会場としては2003年6月オープンの札幌コンベンションセンターの使用を予定しています. 2度の審査の末,ACL2001の会場であるToulouse(France)で会議が持たれ最終的なACL2003の開催地が札幌に決定されました.

ACLは自然言語処理の分野では比較的少数の良質な論文が揃うレベルの高い国際会議として有名であり,そのような会議を日本で開催することは大変有意義なことと考えています. 開催期日は2003年7月7日(月)より12日(土)を予定しています. 日本での初めてのACL国際会議ということで,国内委員会のメンバ以外の本学会の会員の方々にも,今後いろいろとお世話になることと思いますが,ご協力のほどよろしくお願い致します. なお,ACL2003に関するWEBサイトは,http://www.ec-inc.co.jp/ACL2003/にあります.

(ACL2003 Local Organizing Committee委員長 荒木健治)


学会に関する問い合わせは「学会センター関西」にお願いします.

学会センター関西:
〒560-0082 豊中市新千里東町1-4-2
千里ライフサイエンスセンタービル14F
学会センター関西 (担当: 山元 理恵)
Tel: 06-6873-2301, Fax: 06-6873-2300
Email: o-socie@bcasj.or.jp

言語処理学会事務局:
〒152-8552 東京都目黒区大岡山 2-12-1
東京工業大学 大学院情報理工学研究科
計算工学専攻 田中研究室内
Tel: 03-5734-3046, Fax: 03-5734-2915
URL: http://www.crl.go.jp/nlp

ニュースレター担当(佐藤理史)
〒 606-8501 京都市左京区吉田本町
京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻
Fax: 075-753-5962
Email: sato@i.kyoto-u.ac.jp

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